「ファミコン世代」へ向けた最強──P905iはかくして“VIERAケータイ”になった開発陣に聞く「P905i」(後編)(3/4 ページ)

» 2007年11月28日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

“ファミコン世代”の厳しい目を持つユーザーにも

 “903iシリーズ最速&最長時間”を目指し、メガiアプリの大作タイトル「DIRGE OF CERBERUS −FINAL FANTASY VII−」を903iシリーズで唯一動かした端末「P903i」(とP903iX HIGH-SPEED)。P905iは、そこで得た“最速”にも当然こだわりを込めた。

 「QVGA解像度だったP903iと比べると、フルワイドVGAのP905iは画面が“4倍”以上広い。その分、高い処理能力が必要ということになります」(Java・グラフィックス担当の春元英明氏 以下、春元氏)

photophoto ディスプレイを横に開いて、横向きに構えると、家庭用携帯ゲーム機のようなスタイルでメガゲームを楽しめる(左)。そのほか大画面テレビに出力して楽しめるのも大きな魅力だ。リッジレーサーズモバイルは、携帯を「振る」「傾ける」で操作できる“直感”対応のタイトルでもある。そのほかパナソニック モバイルの携帯サイト“P-SQUARE”で、横向き+ワイド画面対応の「太鼓の達人 for P」「極上パロディウス STAGE1&2」「高橋名人の冒険島WIDE」「電車でGO!山手線ワイド版」も無料ダウンロードできる、購入者特典もある
(c)2004-2007 NBGI
photo 携帯用UniPhier。映像高画質化や高いグラフィックス性能、低消費電力などに寄与する

 P905iは、P903iやP904iのそれより進化し、高速な次世代の統合プラットフォーム「UniPhier」を積むものの、例えばプロセッサのクロックを上げるだけで目に見えるほど高速になるかというとそうでもない。結局は、Javaプラットフォームを軸にディスプレイ表示、コマンド制御、キーレスポンス、音声出力などを含めて全体的に底上げしないと実現できないという。

 「特に、P905iにプリインストールするバンダイナムコゲームスさんの“リッジレーサーズモバイル”をストレスなく動かすには、相当の全体的な底上げが必要でしたね」(春元氏)

 プラットフォームはハードウェア面、ソフトウェア面双方で大幅に強化した。3Dグラフィックのポリゴン処理だけ高速であればよいというものでもなく、ゲームにストレスなく没頭できるようなバランスをとることに最も注力。バンダイナムコに何度も足を運び、両社で共同して実現に取り組んだという。携帯ゲーム機のように両手で持って楽しめる本端末は、“横表示対応ゲームに没頭できるか”という点も「最強」を自負している。

 リッジレーサーズモバイルは無料で全機能が楽しめ、コースや車両を別途ダウンロードして追加することも可能となっている。さらに別途オプションのAV出力ケーブルを用いて、ゲーム画面と音声を外部に出力できるのも大きなポイントの1つだ。P905iとAV出力ケーブルを、大型テレビなどの外部ディスプレイにRCA接続することで実現する。

 携帯の性能向上とiアプリの大容量化にともない、待ち時間にちょっと遊ぶタイプのもの以外に、携帯アプリの「大作」や、振って操作する「直感ゲーム」なども増えた。両手で持って、かつテレビにも接続して遊べるという、今までになかった携帯ゲームの楽しみ方もP905iで実現できる。

 「いわゆる“ファミコン世代”の厳しい目を持つユーザーさんにも、このことは評価してもらえるのではないでしょうか」(佐藤氏)


VIERAの次はLUMIXケータイ……?

photo microSDHCに対応するP905i。サンディスク製の4GバイトmicroSDHCはきちんと認識された。静止画、動画撮影のカメラ用途はもちろん、音楽データや自作動画の保存などにも大いに活用できる

 カメラも905iシリーズで最高クラスとなる510万画素CMOSを採用した。6軸手ブレ補正機能付きのオートフォーカスを搭載し、最大2592×1944ピクセルの静止画に加え、VGA(640×480ピクセル)サイズ/30fpsの動画も撮影できるようになっている。

 カメラのユーザーインタフェース(UI)は左右4つのメニューキーを用いる仕様に変更し、設定変更を容易に行えるようにしたほか、撮影シーンに夕焼け/雪/ペット/メモのモードも追加する。

 「シーンモード、実は今まであまり使われていないようだったのですが(笑)、今回はより便利に活用してもらえるよう、新たに4つのシーンを追加しました。例えば“メモ”モード。、510万画素と高解像度ディスプレイを採用したので文字もくっきり撮影でき、かつ表示できる副次的な効果も生まれました」(カメラ・技術担当の石原崇氏)

 高画素の510万画素カメラとフルワイドVGAディスプレイの採用で、文字もくっきり撮影できるようになるとともに、画像の拡大/縮小機能を新設した画像ビューアーでカタログや資料、あるいはホワイトボードのメモ撮りなどにも有効に活用できるようになった。

 動画は、(機能として大きくうたってはいないものの)静止画のように固定焦点で利用する機会は少ないという判断から、撮影中は随時ピントを合わせる「コンティニュアスAF」を標準で搭載する。機能が向上したことで、例えば通常の動画撮影はもちろん、夜間のイルミネーションを撮影した動画なども動画再生時に効くモバイルPEAKSプロセッサーの効果で、くっきりはっきり再生できるメリットがある。


photophoto 前後左右、上下と各軸のねじれ方向のブレを補正6軸手ブレ補正機能を搭載する有効510万画素カメラを搭載。画像処理エンジンも進化し、より美しい静止画撮影が行えるという。1920×1080サイズなどは横位置で記録されるなど、画面右端の「TOP」アイコンに画像の向きが示され、撮影サイズにより保存画像が縦/横で切り替わる。そのため、横向き撮影も一応可能。残念ながら右側面にシャッターキーがないので、両手で構えて、右手親指で決定キーを押すスタイルになる

 では、VIERAの次は“LUMIX”なんていうのも……?

 「それをやるとなると、AVC社に加えてライカさんのOKも必要そうですね。さらに高いハードルにせねばならなくなりそうです。あくまで冗談ですが(笑)」

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