市場が縮小してもシェアアップで現状を維持──シャープ 携帯電話事業の2008年

» 2008年01月08日 19時25分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo 65V型の次世代液晶パネルを披露する取締役社長の片山幹雄氏

 シャープは1月8日、年頭記者会見を開催。取締役社長の片山幹雄氏が2012年の創業100周年に向けた取り組みを紹介したほか、2008年度の重点事業と位置づける液晶テレビと大型液晶パネル事業、太陽電池事業などについて説明した。

 話題の中心は、2008 International CESでも公開された65V型の次世代液晶テレビだったが、好調な携帯電話事業にも質問が及ぶと、同社副社長 事業担当の松本雅史氏が質問に答えた。

2008年は端末出荷台数が減少

 国内の携帯電話市場について問われた松本氏は「2007年度の市場規模は、およそ4740万台程度と予測している。これに対して2008年度は、場合によっては4200万台程度まで落ち込む可能性もあると見ている」と説明。販売台数が減少するのは、販売奨励金制度の見直しや分離プランの導入による2年契約の普及などが影響するからだという。ただ、4200万台という数字はかなり悪いシナリオと見ており、「正直4200万台まで下がるほどではないようにも思う」と松本氏は言う。

 シャープの携帯電話事業としては、市場規模が縮小に転じてもシェアをアップすることで現状並みの売上、出荷台数を確保したい考え。そのためには2台目需要などを積極的に開拓するほか、ユーザーの趣味嗜好に合わせて端末の選択の幅を拡げていく。なかなか普及が進まないスマートフォンについては「ユーザーインタフェース(UI)の改善などを含め、なんとかしていかないといけない」(松本氏)との考えを示した。

海外市場は“日本と傾向が近い地域”から攻める

 携帯電話事業の海外展開については、「現在も細々とやっているが、大きくしていきたい」と松本氏。拡大の方向性としては、単純に安価な端末を大量に供給するのではなく「“オンリーワン”のシャープらしい携帯電話を展開していく」という。そのため、携帯電話の趣味や好みが日本と近いアジアに力を入れていく方針だ。

 特に中国では、最近になって液晶テレビ“AQUOS”のテレビCMを打ち始めたこともあって、非常にAQUOSブランドの認知度が向上しており、AQUOSケータイなどを投入することで、相乗効果が見込めると松本氏は話す。AQUOSシリーズのテレビの売り上げ規模は、2007年12月の単月の数字では、日本、北米、中国、欧州の順になっており、中国が欧州を抜いたことを明らかにした。2008年の夏には北京オリンピックが開催されることもあり、AQUOSブランドを絡めた仕掛けを考えているという。

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