P2101Vのボディーはプラスチック製。ねじ穴はゴム製のパーツで覆われていて、その位置は素人でも簡単に分かる。ネジは5溝タイプの特殊ネジを使用しており、ディスプレイ側ボディの4カ所と、ダイヤルキー側ボディの4カ所でケースを固定している。ネジを外し、プラスチックパーツのつめを外していくと基板があらわになる。
ダイヤルキー側の基板は、表がキースイッチになっており、裏にはFOMAカードのスロットやシールドされた小さなチップ群、それにパワーマネジメントLSIの「AN6579」などが見える。
ディスプレイ側の基板は、2階建てになっていた。液晶パネル自体にそれなりの厚さがある上、基板が2枚重なり、さらにサブディスプレイが載っている。これではボディが厚くなってしまうのも致し方ないという気がしてくる。
メインの基板には所狭しとチップが並ぶが、7年前の技術だけに1つ1つの部品が大きく、コネクターなどもかなりの面積を占めているのが分かる。中央の一番大きい四角いチップ「MN2MS0015A」が、チップセットの心臓部となるデジタルベースバンドLSIとアプリケーションプロセッサをSIP化したもの。そのすぐ隣にある「MN1959041」は、MPEG4マルチコーデックだ。複数動画像の同時圧縮伸張処理に対応し、FOMAでテレビ電話が可能になったのはこのチップのおかげ。
そのほかにも、チップセットを構成すると思われるLSIやSDRAMやフラッシュメモリーなども見られる。ただ、いかんせんチップ自体が古く、Googleなどで型番を検索してみたものの、有用な情報はほとんど見つからなかった。
筐体の内側にも、さまざまな部品が据え付けられている。受話部のスピーカーや発話部のマイク、スピーカー、アンテナなどなど。面白いところでは、バイブレーター用のモーターと重りもダイヤルキー側のケースに固定されていた
巨大なボディの中身は、巨大なパーツが占めていた。やはり初代FOMA端末だけに、集積は進んでおらず、さまざまな機能を個別のチップで実装していたようだ。大容量データを扱う“ビジュアルタイプ”だけに、メモリも多めに搭載していたと想像できる。
しかし奇妙なのがSDメモリーカードスロットだ。せっかく搭載していたのに、なぜ穴がふさがれ、機能として存在しないことになっていたのだろう。このあたりの事情、ご存じの方がいたら聞かせていただきたいものだ。
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