Worldwide Developers Conference 2008(WWDC 2008)で行われた発表を受けて、最も注目される2つの新製品「iPhone 3G」と「MobileMe」を担当するマーケティングマネージャーが報道関係者の合同インタビューに応じた。
iPhone 3Gについて答えているのは、iPhoneプロダクトマーケティング担当のシニアディレクターであるボブ・ボーチャーズ氏(米アップルのiPhoneホームページの説明ビデオに登場していた人物)。そしてMobileMeについて答えてくれたのは、ワールドワイドインターネットサービス担当のシニアディレクター、クリス・サイトウ氏だ。
インタビュー会場では、まだWWDC参加の開発者たちも見ていないiPhone 3Gを一足先に触ることができた(ただし、写真撮影は禁じられていた)。以下では、iPhone 3Gのファーストインプレッションとともに、インタビューの内容を紹介する。
まずは製品のファーストインプレッションだが、iPhone 3Gを正面から見る限りは、これまでのiPhoneとほとんど区別がつかなかった。ただし本体を少し横に傾けると、MacBook Airのように、裏面に向かってすぼんでいくお皿型のデザインを採用しており、すぐに両者の違いが分かる。
このデザインのおかげで本体が薄くなったように見える。ただし、裏面のなめらかな曲線は、手に持ったときのフィット感を高めるのにも大きな貢献をしているが、飛行機などのテーブルに置いたときは、不安定に向きを変えそうで気になった。iPhone 3Gは背面に曲線を使う一方で、これまでのiPhoneと比べてエッジを立ている部分もあり、それによってフォルムが引き締まっている。
本体の両側面にあるボタンなどは、より目立たなくなった印象だ。裏面は光沢のある黒(または白)で、どちらの色も指紋が目につきやすい問題はあるものの(インタビューの会場に置かれたiPhone 3Gを筆者が手にしたときには、すでに指紋だらけだった)、それなりの高級感がある。
iPhone 3Gで、もう1つ注目すべきは、電源アダプタだ。これまでのiPhoneの電源アダプタは、iPodやMacBookシリーズに似た、正方形に電源プラグの幅の厚みを持たせたデザインで、差し込み口の部分が国ごとの規格にあわせて取り換え可能になっていた。
これに対してiPhone 3Gの電源アダプタは大幅に小型化し、着脱部分と継ぎ目のないデザインを採用しており、一部の大型家電製品のコンセントの差し込み部分ほどの大きさになっている。アップルのサイトにその写真があるので、ぜひともそちらを参照してほしい。もちろん、このアダプタは現行のiPhoneなどとも互換性があり、電源プラグの裏側には1個のUSB端子が用意されている。
従来の日本語入力キーボード「QWERTY-J」のほかにもう1つ加わったキーボード、「kana」キーボードも試してみた。これは今日の携帯電話では一般的な、「親指入力方式」のキーボードだ。
表示されるボタンには、数字ではなく「あ」「か」「さ」「た」「な」……の文字が表示されているので、「そ」と入力するのであれば、「さ」の字を5回タップする。
予測変換の機能もついているようで、携帯電話の親指入力に慣れている人なら、使っていて困ることはないだろう。入力キーの大きさがそれなりにあるので、誤操作も起きにくく、慣れてくればかなり高速な文字入力もできそうだ。
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