人によってはワンセグやおサイフケータイよりも大事だったりするのがGPSを使ったナビ機能。筆者もまさにその1人だ。利用頻度が低くても、ここ一番で“ついていてよかった”と思える機能でもあり、また、単体のポータブルGPS機器が比較的高価であることからも、ケータイがGPS機能を備える意味は大きい。そして「X02NK」にもGPS機能は搭載されている。
地図機能は、プリインストールのNOKIA MAPSを利用できるほか、端末内のリンクからダウンロードできるNAVITIMEを利用可能。ノキア・ジャパンでは、国内や海外の観光地などでの利用はNAVITIME、海外出張や観光地以外の場所に行く場合にはNOKIA MAPSというように、用途によって使い分けられるとしている。
X02NKには、標準の地図機能としてNOKIA MAPSがインストールされており、メニューの1階層目の「地図」からアクセスできる。NOKIA MAPSは日本向けには18Mバイトほどの地図データしか用意されず、施設情報も少ないシンプルな道路地図にとどまっている。さすがに駅などは掲載されているが、例えば京浜急行線だと青物横丁駅が京急蒲田駅になっていたり、鮫洲から京急川崎までの駅がなかったり、大森町駅がなぜかJR京浜東北線にあったりと、あまり正確とはいえない部分も見受けられた。また、目的地までのルートを案内するナビ機能も備えるが、これも日本国内では使えない。
ただし、PC経由で地図を事前にダウンロードしておけば、地図表示だけならインターネット接続なしで利用でき、ノキア端末のシェアが高いエリアについては、かなり詳細な地図が提供されている。例えば香港の地図では、レストランなどの施設も検索可能。現状、国内ではあまり使い道がなさそうだが、海外旅行や出張の際に渡航先の地図をダウンロードしておくと便利に使えそうだ。地図はWindows上でNakio MAP Loader経由でダウンロードを行い、microSDに転送して利用する。
一般の音声端末で利用できるNAVITIMEは、X02NK向けに「for smartphone」バージョンを提供している。有料サービスを利用する場合はナビタイムジャパンへの登録が必要で、クレジットカードでの支払いになる点が一般の音声端末向けとは異なる。この点を除けば、ほぼ同等の機能を利用可能だ。ワイドVGA表示対応の端末と比べると、さすがに地図の情報量は見劣りするが、使い勝手はよく、地図もビュンビュンと高速にスクロールする。
また、無線LAN接続で利用できるのも、うれしいところだ。「for smartphone」バージョンはSIMロックがかかっていない端末でも利用できるので、インターネット接続回線の種別を問わないのだ。パケット定額プランを利用している場合は無線LANを利用するメリットはさほどないが、(1)地図の読み込みが速い (2)ケータイの電波は届かないものの無線LANは利用できる建物内で使える というメリットはある。
徒歩ナビにも使えるNAVITIMEでは、GPSの精度も気になるところ。空が広く見渡せる屋外では、精度面で問題を感じることはなかった。屋内では、ファミリーレストラン内の窓際から5メートルほど奥に入った席で、ソフトバンクモバイル製の「911T」と比べてみた限りでは、X02NKの方が精度は高かった。もちろん、これには偶発的な要素もあるので一概にはいえないが、“GPSの精度が悪い”ということはなかった。
X02NKのGPS利用で、第3の選択肢となるのがGoogle Maps。地図データは常にインターネットから取得する(一定量キャッシュはされる)仕様で、専用アプリ(厳密にはS60シリーズ用)をGoogle Mobileのサイトからダウンロードできる。もちろん、X02NKの内蔵GPSを利用してリアルタイムに現在位置を表示することも可能だ。検索情報も豊富で、現在位置に近い店名や施設名などの検索が可能。国内ではゼンリンの地図が使われており、拡大すると建物の形状や一方通行情報まで表示される。航空写真による表示にも対応し、幹線道路が強調表示されたり、コンビニなど一部施設のアイコンがオーバーレイ表示されたりと、実用性も十分だ。
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