「WILLCOM 9」は“シンプル”という価値を提案する端末

» 2008年07月07日 20時42分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 ウィルコムが発表したケーイーエス製の「WILLCOM 9」は、大ヒット端末となったストレート型端末「9(nine)」のコンセプトを継承し、ユーザーの要望に応えて折りたたみ型ボディを採用したモデルだ。

 WILLCOM 9発表会に登壇したウィルコム取締役執行役員副社長の土橋匡氏は、「携帯電話市場の競争は激化の一途をたどっている。6月27日に発売したWILLCOM 03はおかげさまで売れ行きが好調、7月4日にはWILLCOM D4の予約受け付けを開始。また、HONEY BEEのブルーシールモデルの発売も控えており、今回のWILLCOM 9と合わせた4機種で、よい夏にしたい」とあいさつ。


photophotophoto ウィルコム取締役執行役員副社長 土橋匡氏(写真=左)、ブランド&プロダクト企画部部長 石川俊司氏(写真=中央)、同ブランド&プロダクト企画部の堀田峰布子氏(写真=右)

 同社でブランド&プロダクト企画部部長を務める石川俊司氏は、WILLCOM 9について、「最近のケータイは全部入りが多く、またサイズも大きい。新製品(WILLCOM 9)はそれらとは違って最低限の機能を持つコンパクトな折りたたみ端末で、我々からの“新しい提案”だ」と紹介した。

 WILLCOM 9が登場した背景には、同じくケーイーエス製のストレート端末である9(nine)シリーズがロングセラーになったことが挙げられる。石川氏によると9(nine)は2006年12月の発売以降、継続して売れており、現在でも売れ行きが落ちていないという。また、販売のピークが発売から1年後と、ほかの端末にはない動向を示している。

 ユーザーはそのデザインと大きさ、色、そしてシンプルな機能を評価しており、「9(nine)と改良版の9(nine)+の販売数は約43万台。現行の9(nine)+はまだまだ売れており、WILLCOM 9と併売していく」(土橋氏)という。

photophoto 9(nine)と9(nine)+を合わせた販売動向(写真=左)。時間がたっても、売れ行きが落ちていない。WILLCOM 9は、シンプルでコンパクトな折りたたみ型という“新しい提案”だという(写真=右)

 その人気の9(nine)からWILLCOM 9で変わったのが、折りたたみ型になった点だ。石川氏は「ストレート型への支持と同時に、折りたたみ型のニーズも多く寄せられた」と話す。また“必要最低限の機能”が年々進化することから、シンプル端末とはいえ130万画素カメラを搭載しJavaアプリにも対応、HTMLメールを送受信できるデコラティブメールもサポートする。

 そして、サービス面での大きな進化が「ウィルコム ガジェット」への対応だ。ACCESS製「NetFront Browser Widgets」の採用で実現したこの新サービスは、コミュニケーション機能の強化を狙って搭載された。待受画面に最大4つのガジェットを表示でき、待受から直接ネットコンテンツにアクセスできる。当初はGoogle検索やGmail、NAVITIME、mixiなど10のガジェットを用意しており、その位置も自由に変更できる。

 折りたたみ型で実現したのが、これまでにないコンパクトなサイズ感。WILLCOM 9のデザインを手がけた同社ブランド&プロダクト企画部の堀田峰布子氏は「折りたたんだ際の幅43ミリ、高さ80.4ミリという大きさは、今の携帯電話市場にはないサイズ感」と説明した。

 しかし、ボディが小さすぎると逆に使いにくさも生む可能性もある。そこで堀田氏らWILLCOM 9開発陣は、“ネガR”と呼ぶボディ形状と2軸ヒンジを採用した。ネガRは、側面から見た形状を新書本のように丸くくぼませたもの。WILLCOM 9では上下左右すべての側面がネガRとなっていて、開閉する際に指がかかりやすくなっている。

photophotophoto WILLCOM 9の進化点(写真=左)、ボディは小さくても開けやすいネガR形状を採用した(写真=中央、右)

photophoto コミュニティ機能の充実を目指し、ウィルコムガジェットに対応した(写真=左)。発売時は10のガジェットを内蔵する(写真=右)

photophoto デコラティブメールや、待受画面を3分割して好みの表示を食わせられるスロットアクセサリーが利用できる

 またWILLCOM 9は、アルテル製のPHSモジュール「RX420AL」を内蔵するW-SIM端末のため、ボディをあまり薄くできない。ある程度厚さのあるボディを小さく折りたため、またすっきりとしたフォルムになるよう、可動範囲の広い2軸ヒンジが用いられた。

 「シンプルでスタンダードな端末を求めるユーザーは意外に多い。ストレート型の9(nine)+だけでなく、折りたたみ型のWILLCOM 9を用意することで、ユーザーの選択肢を増やすことができる」(堀田氏)

 ボディカラーは、9(nine)発売時と同じく、ブラックとホワイトとした。堀田氏は「WILLCOM 9にはシンプルという価値を伝えるデザインを盛り込んだ。ロングライフ商品であり、カラーもシンプルにしている。長く使う間にボディが痛んでも、みすぼらしくならないのが特徴」と自信を見せる。

 石川氏と堀田氏が所属するブランド&プロダクト企画部は、その名のとおり新端末のデザインやブランディング、広告戦略を決定する部署。なかでも堀田氏は、W-SIM端末全般のデザインをディレクションする立場にある。しかし今回のWILLCOM 9開発では外部デザイナーではなく、インハウスデザイナーである堀田氏自身が直接端末デザインを手がけた。

 「WILLCOM 9は新しいビジョンを持った端末。そのビジョンの具現化するため、また新しいマーケットを開拓するため、9(nine)と同じくインハウスデザイナーであるわたしが直接担当した」(堀田氏)

 「インハウスデザインの利点は、冒険的なことができること。社内にいるので、意識の共通化がしやすく、部署ごとのフィードバック速度が速い。具体的な金額は算出していないが、低コストでスピーディに開発できたと思う」(石川氏)

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