ではそれぞれのフィルムを実際にiPhone 3Gに貼って、その様子を見てみよう。写真はすべて左から順にアスデック「AR液晶保護フィルム」、バッファローコクヨサプライ「BSIP08FKP3」、パワーサポート「クリスタルフィルムセット for iPhone 3G」、ミヤビックス「OverLay Brilliant for iPhone 3G」、レイ・アウト「鮮やか高光沢保護フィルム」の順で並んでいる。
参考までに、まったく同じ条件で撮影したディスプレイ保護フィルムを貼っていない状態のiPhone 3Gの写真も掲載しておく。ホワイトバランスはデイライトに固定しているので、オートホワイトバランスによる色味の変化はないはずだ。正面の写真は、ISO400で、シャッター速度と絞りはそれぞれ1/15秒、F5.6で撮影した。斜めにしてライトを映り込ませている写真は、ISO400、1/30秒、F5.6で撮影している。
フィルムを貼ったiPhone 3Gを正面から撮影してみた。ホワイトバランスを太陽光に固定し、シャッター速度1/15秒、絞りをF5.6にしてマニュアル露出で撮影。ISO感度は400としている。さすがに正面から見た印象はどれもほとんど変わらない。当たり前ではあるが、画面が暗くなったり色味が変わったりするものはなかった。
今度は反射時の印象を見るため、わざと画面に蛍光灯を映り込ませて撮影した。こちらも露出はすべて統一してある。ホワイトバランスは太陽光、シャッター速度は1/30秒で、絞りはF5.6とした。ISO感度は同じくISO400だ。
表面をハードコートのままにするか、反射防止用のARコートを施しているかで結果が大きく異なる。これは屋外での空の映り方などにも通じるので参考にしてほしい。一目見て明らかに異なるのが、レイ・アウトの鮮やか高光沢保護フィルムだ。蛍光灯の映り込みが紫色になっており、唯一カレンダーのアイコンがはっきり視認できる。アスデックのAR液晶保護フィルムもARコートのおかげで反射が低減されているが、鮮やか高光沢保護フィルムほどではない。
最後に、保護フィルムのサイズについても見ておきたい。傷の付きにくさや反射防止能力に加えて、ディスプレイに貼ったときにカバーしてくれる面積が、製品ごとに若干違う。保護フィルムというからには、ディスプレイ表面をすみずみまでカバーしてくれるに越したことはないのだが、モノによっては1ミリ程度のすき間ができるものもあり、するとその部分に傷が付きやしないかと気になってしまう。またこれは好みの問題だろうが、ホームボタンの周囲の処理は、円形に穴を開けているものと、端から切り込みを入れてカットしているものがある。カットされているシートのカバーされない部分は、実は指でよく触る部分でもあるので、擦り傷などが付くのではないかと心配になる。
ざっと量販店で入手できた代表的な保護カバー5製品を比較してみたが、いかがだっただろうか。ARコートの有無は、屋外で使う機会の多いユーザーはぜひ検討したい部分だろう。また、ホームボタン周りの処理は、好みが分かれそうなのでぜひ参考にしてほしい。
なお、今回は光沢系のフィルムだけを選んだが、ノングレア/アンチグレア加工を施したシートを使うという手もある。ノングレア系のシートは光を拡散させる関係でコントラストは若干低くなる傾向があるものの、表面の映り込みや指紋の付着は抑えられる。
ディスプレイ保護フィルム自体は、それほど高価なものでもなく、ある程度傷が付いてきたら貼り替えるたぐいのものなので、気に入らなければ次は別の製品を買えばいいものではあるのだが、この記事がディスプレイ保護フィルム選びの一助になれば幸いである。
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