「URBANO」はオトナにちょうどいいケータイ――auのエルダー向け新戦略

» 2008年08月28日 21時51分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo “アクティブな大人”をターゲットにしたシャープ製端末「URBANO」

 KDDIが8月28日に発表したシャープ製のau端末「URBANO」(アルバーノ)は、“アクティブな大人”をターゲットにした新セグメントのモデルだ。

 すでにKDDIは、シニア層をターゲットにした「簡単ケータイ」シリーズをラインアップするが、今回発表されたURBANOはもう少し若い50歳以上のユーザーを強く意識。若者向けケータイほど多機能である必要はないが、シニア向けケータイを持つにはまだ早い――と考える世代の取り込みを狙っている。NTTドコモも、同じユーザー層をターゲットとした「706ie」シリーズを4機種発売しており、世代やライフスタイルに合わせたケータイ市場の細分化が一層進みそうだ。

50歳以上のケータイ普及率を上げたい

URBANOのボディカラーは、クラシックブラック、エターナルホワイト、ジェニュインレッドの3色展開

photo KDDI コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画本部長 長島孝志氏

 URBANOの発表会では、KDDIのコンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画本部長 長島孝志氏が新しい事業戦略を発表した。

 「現在ほとんどの人が使っている携帯電話は、80年代に売り切り制度の導入、キャリアの新規参入などで一般化し、90年代に入って、若年層をターゲットにした多機能化とパーソナル化により普及が加速した。ケータイがただの電話から情報端末へと進化した期間に、世の中は高齢化し、公衆電話が減少するといった社会現象が起きている」(長島氏)

 携帯電話の普及率は20代から40代はすでに90%を超え、ほとんどの人がケータイを持っている状況だ。高齢層も年々所有率が上がり、50代は80%以上、60代以上も60%以上が携帯電話を所有しているという。長島氏は今後、若者とシニア層の間にある、“アクティブな大人”世代のための製品を充実させたいと話す。

photophoto 日本のケータイ普及率は20代から40代までは90%を超えており、50代は80%以上、60代以上でも60%以上ある。シニア世代はもちろん、URBANOが狙う50代のオトナ世代の普及が期待されている

 「こうした大人たちにとって、今のケータイは両極端に映っているのではないか。選択肢は、マルチメディア機能を多数搭載した若年向けの端末を“無理をして”使うか、使いやすさを追求したシンプルなシニア向け端末を“あきらめて”使うかの2つしかなかった。URBANOなら、若者向けでもシニア向けでもない新しいケータイとして選んでいただける」(長島氏)

 また長島氏は、高年齢層におけるauのシェアが、若年層のそれと比べて低いことを認めた上で「auといえば若者向けというイメージが強いが、auだから今回のような取り組みが遅れたとは思わない」と述べ、若年層向けの機能とサービスが充実した結果、各キャリアが同じタイミングで新セグメントへのアプローチを開始していると話した。また、さらに低い年齢へのアプローチも検討中だという。

 「URBANOは50代以上がターゲットだが、その下の層に買ってもらえればそれもうれしい。実は30代後半から40代を想定した商品企画も進めている。今は多くを話せないが、次回の新端末発表会で紹介できるだろう」(長島氏)

みんなで“ちょいワルおやじ”に

photo KDDI コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画au市場開発部長の村井義昭氏

 シニア未満の大人世代を狙うURBANOのセールスポイントが、ワンランク上の携帯電話と思われる上質感と機能、大人にふさわしい専用サービスの組み合わせだ。

 KDDI コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画au市場開発部長の村井義昭氏は「URBANOは『自分にあったケータイがない』という大人のためのケータイ。いかにもシニア向けに見えるデザインは避け、上質感のあるものを目指した。背面パネルと1.3インチの大型サブディスプレイは高級腕時計をイメージし、十字キー回りはしっとりとした質感を持たせるなど、“自分の持ち物”として長年扱えるように仕上げた。ドコモの706ieシリーズと比べて、デザインで勝とうと意気込んでいる」と説明した。

 機能面では、ワイドQVGA(240×400ピクセル)の3インチディスプレイ、ワンセグ、おサイフケータイといったトレンドのスペックを押さえた。また、3軸加速度センサーを使った歩数計で消費カロリーや脂肪燃焼量なども確認できる。カメラはAF付きの有効約203万画素CMOSで、カメラルーペ、ゴルフスコープ、名刺リーダーといった実用機能を充実させた。

 当然ながら端末の使いやすさにも配慮し、1つ1つのキーが独立したダイヤルキーや画面内の文字拡大機能、声が聞き取りやすい大きめの通話音量と、最大92デシベル(スピーカーから10センチの距離)と音量の大きな着信音を採用した。

 auのサービスではLSIMOやau Smart Sports「Run&Walk」に対応するほか、URBANOの発売に合わせて大人向けにカスタマイズしたau oneポータルも提供する予定だ。この専用ポータルで、協業先と連携して音楽や健康など、大人に興味を持ってもらえるコンテンツを充実させる。

 「実用系の機能はさらに使いやすく。趣味系のサービスも充実させた。もちろん使い勝手もよくしており、メニュー画面などUIもきめ細かにしている。特にキーが独立したダイヤルキーは自信作で、今までのダイヤルキーが使いにくいと感じてしまうほどだ」(村井氏)

photophotophoto 多機能かシンプルか。2極化したケータイ市場で「自分にあったケータイがない」と考える人は多い。URBANOは実用度の高い機能を充実させるだけでなく、上質なボディデザインやUIを採用して所有する喜びや趣味性も高めている

photophoto 端末を発表した瞬間、片手にURBANOを持ったパンツェッタ・ジローラモさんがさっそうと登場

 URBANOの発売は9月中旬以降。発表会にパンツェッタ・ジローラモさんが登場したことで「富裕層向けの端末か」という質問が出たが、そうではないという。

 「URBANOは決して富裕層向けの端末ではない。オープン価格のため販売価格は小売店が決めることだが、それほど高いものにはならない」(長島氏)

 発売時には、各キャリアショップにターゲット層にあった分かりやすい展示コーナーを設置し、URBANOの訴求を図る考えだ。

 「ぜひ皆さんにこのケータイを持っていただいて、“ちょいワルおやじ”になってほしい」(村井氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月30日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  2. 「PayPayカード ゴールド」の特典変更は改悪? 損益分岐点を計算、年間100万〜220万円利用ならお得に (2026年04月28日)
  3. 相互交換が始まった「PayPayポイント」と「Vポイント」のお得な活用法 6月の“ルール変更”にも要注意 (2026年04月28日)
  4. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  5. ダイソーで550円の「スマートフォン ワンハンドシャッター」はカメラ撮影に役立つ? 「ボタンを押すだけ」がポイント (2026年04月29日)
  6. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  7. 「Fitbit Inspire 3」が10%オフ 最適な睡眠をサポートするスマートアラーム搭載 (2026年04月29日)
  8. 修理費で13万円超えも 折りたたみスマホに「端末保険」が事実上必須といえる理由 (2026年04月27日)
  9. 血圧を測定できるスマートウォッチ「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」 17%オフで約5万円に (2026年04月27日)
  10. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年