容疑者Xの献身「聞かれたことに機械的に答えればいいんです」Mobile&Movie 第330回

» 2008年11月07日 14時27分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名容疑者Xの献身
監督西谷弘
制作年・製作国2008年日本作品


 今回ご紹介する作品は、東野圭吾原作の人気ドラマ「ガリレオ」を映画化した『容疑者Xの献身』。天才物理学者・湯川学が、殺人事件の謎に迫ります。以下、内容に触れますので、これから見る予定の方は注意して下さい。

 帝都大学の准教授・湯川学(福山雅治)は、自他ともに認める天才物理学者。その冷静な分析力を買われて、警察が解決できない難事件の捜査に協力することもありました。貝塚北署の刑事・内海薫(柴咲コウ)は、湯川の人間的な感情を排し、科学的検証のみで事件を追及するやり方に呆れつつも尊敬し、しばしば研究室を訪れるようになっていました。

 ある冬の日、川原で男性の他殺体が発見されます。顔がつぶされ、指紋まで焼かれていましたが、遺留品などから男性の身元は富樫慎二(長塚圭史)であることが判明。さっそく捜査班に加わった内海は、富樫をめぐる人間関係の中でもっとも動機があると思われる元妻・花岡靖子(松雪泰子)のアパートを訪れます。

 内海の聴取に対して、富樫とは数年前に別れたきり会っていないと言う靖子。富樫の死亡推定時刻には、靖子と娘が2人で映画を見に出かけたという完璧なアリバイがありました。内海とともに聞き込みにきた刑事の草薙(北村一輝)も、靖子を犯人と疑いながらも手ぶらで帰ることに。

 靖子への疑いを持ったまま、崩せないアリバイに行き詰まった内海は、湯川の元へ捜査協力を依頼。科学的検証の必要がない事件だと関心のなかった湯川でしたが、草薙から靖子のアパートの隣人が帝都大学の同期・石神哲哉だと聞き、興味を持ち始めます。

 湯川と石神は、十数年前に大学のキャンパスのベンチで偶然出会い、お互いの才能を認め合った同志。石神は数学、湯川は物理学の研究者として、それぞれの道を歩んできました。帝都大学に残り、准教授になった湯川と対照的に、石神は家庭の事情で数学教師として1人暮らしているのを知り、会いに行く湯川。容疑者である靖子の完璧すぎて崩せないアリバイの裏に、隣人である石神が絡んでいるのではと考えたのでした。久々の再会を喜びつつも、この殺人事件をめぐり対決することになる湯川と石神。容疑者のアリバイには、やはり石神の頭脳による計算がからんでいたのです。

 「聞かれたことに機械的に答えればいいんです」

 石神は盗聴されないように公衆電話から、靖子の携帯(D905i)に連絡を入れ、どのようにすればよいか、刑事への対応まで指示していたのでした。そして、その通りに靖子は行動していたのでした。

 いかにして、靖子の完璧なアリバイは作られたのか? 天才・湯川は、天才・石神の思考を読み解けるのか? 犯人が捕えられた時、“容疑者Xの献身”の理由が明かされます。

関連キーワード

大学・大学院 | 映画 | D905i | ドラマ | 警察 | 研究者


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月26日 更新
  1. 「駅のQRコードが読み取れない」――ネットに落胆の声 なぜ“デジタル時刻表”が裏目に? (2025年12月25日)
  2. mineo料金プラン改定の真相 最安狙わず「データ増量+低速使い放題」で“ちょうどいい”を追求 (2025年12月25日)
  3. 3COINSで1万1000円の「プロジェクター」を試す 自動台形補正、HDMI入力、Android OS搭載で満足度は高め (2025年12月24日)
  4. 若いiPhoneユーザーの間で「クリアケース」に人気が集まっている理由 すべては“推し”のために (2025年12月25日)
  5. 時刻表が“QRコード”だけになった──SNSで「不便」「むしろ不要」と賛否 横浜市営地下鉄は元に戻すのか? (2025年11月21日)
  6. 関東地方で5G通信が速いキャリアは? ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルでICT総研が比較(2025年12月) (2025年12月24日)
  7. iPhone 17 Proで話題になった「8倍光学品質ズーム」って何? そのメカニズムを解説 (2025年12月25日)
  8. Apple CarPlayもPlayストアも使える車載ディスプレイ「オットキャスト OttoScreen AI」が30%オフの3万5080円に (2025年12月24日)
  9. iPhoneのロック画面で「カメラが起動しちゃった」を防げるようになった! その設定方法は? (2025年12月24日)
  10. 「威嚇するような態度をとられた」──“撮り鉄”の迷惑行為に苦言続々 JR東日本も警鐘 (2025年12月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー