2009年、ドコモは「オープンOS」を支援する──NTTドコモ 辻村清行副社長神尾寿のMobile+Views(1/2 ページ)

» 2009年01月01日 09時30分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 1999年はモバイルインターネットの歴史において、大きなターニングポイントだった。1999年2月22日、NTTドコモが「iモード」を開始。ここから日本の携帯電話業界は、1990年代の「電話の時代」を越えて、「データ通信の時代」に足を踏み入れた。

 あれから10年。ドコモが切りひらいた日本のモバイルインターネットの世界は、「第3世代携帯電話(3G)」への移行や、非接触IC モバイルFeliCaを用いた「おサイフケータイ」の登場などを追い風に、質・量ともに爆発的な拡大を遂げた。2000年代中盤には3G移行を有利に進めたauに市場トレンドのキャスティングボートを握られ、番号ポータビリティ(MNP)制度開始後はソフトバンクモバイルの低価格攻勢に悩まされるなど、紆余曲折はあったものの、2008年はドコモの解約率が過去最低水準となるなど、その競争力を回復。ドコモの3G 「FOMA」のインフラは、エリアの広さと、高速通信サービス(HSDPA)対応の充実度において、業界随一のレベルになっている。

 そして、2009年。iモード開始からちょうど10年が経過し、新たな10年期のスタートとも言える今年に、ドコモはどのような姿勢で臨むのか。

 今回のMobile+Viewsは新年特別編として、NTTドコモ 代表取締役副社長 辻村清行氏のインタビューをお届けする。

Photo NTTドコモ 代表取締役副社長 辻村清行氏

キャリアの足腰を強化し、“圧倒的なよさ”を目指す

── 2008年は、市場競争力の著しい回復や「新ドコモ宣言」など、ドコモにとって大きなトピックスの多い年でした。あらためて2008年を振り返り、総括をしていただけますでしょうか。

辻村氏 昨年の私どもの基本的な考え方は、「お客様」を主軸に据えて原点回帰しようというものです。それを端的に現したものが新ドコモ宣言ですし、コーポレートロゴの変更や、中期ヴィジョンの作成も行いました。

 むろん、これらの取り組みは一朝一夕で行ったわけではありません。例えば、FOMAのサービスエリア。これは2007年から精力的に(インフラ整備を)行ってきたわけですが、そのエリアの充実がお客様に認知していただけるようになったのも昨年だと思います。

── FOMAのサービスエリアに関しては、ドコモの真摯さといいますか、底力を強く感じる部分です。面的にエリアが広いだけでなく、高速サービス(FOMA HIGH-SPEED)対応が他社よりも充実しているように感じます。

辻村氏 そうですね。我々が行っているユーザー満足度調査でも、サービスエリアには高い評価をいただいています。またほかにも、アフターサービスへの評価もこの1〜2年で大きく伸びていまして、そうした(キャリアとしての)「足腰」の部分が強くなりました。

── 私は2007年末の段階で、ドコモの総合的な競争力は他社を上まわったと評価していました。しかし、市場で結果が出たのは2008年後半でした。

辻村氏 お客様に認知していただき、評価されるまでには時間がかかりますからね。あともう1つ、ドコモは競合他社に比べて大差をつけないと評価されません。他社よりも圧倒的によくならないと、「ドコモって、いいキャリアなんだ」と評価されないのです。若干いいくらいではダメなのですね。

── 振り返れば、2006年から始まったMNPはドコモにとって不利なものでした。その中で、コツコツと改善を続けた結果が2008年に現れた、ということですね。

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辻村氏 ええ。そこで重要なのは、サービスエリアの充実やアフターサービス向上など(キャリアとしての)足腰を強くしていくことです。そうした足腰の強さがなければ、ドコモの(競争力)復活はあり得ませんでした。ドコモが輝くために必要なのは、エリアを筆頭にした地道な部分なのです。それがきちんとできたからこそ、お客様に再び「やっぱりドコモだよね」と言っていただけるようになりました。

── インフラやアフターサービスの向上が「縁の下の力持ち」だとすれば、新ドコモ宣言や新しいコーポレートロゴはそれを分かりやすくするパッケージです。この効果について、どのように評価されていますか。

辻村氏 ロゴの変更と新ドコモ宣言は、社外のお客様、そして社員にも、すんなりと受け入れられたと感じています。それも「ドコモが変わろうとしている」ことが、多くの人に認知され始めていることの証左ではないかと考えています。

── もう1つ、2008年のドコモにとって大きな変化が、端末ラインアップに導入した4シリーズ制です。まだ始まったばかりですが、その手応えをお聞かせください。

辻村氏 廃止した90xi/70xiシリーズというのはお客様の認知度が高く、ブランドとして浸透していましたので、それを捨てるというのは我々にとってもリスクのある決断でした。しかし、今後のユーザーニーズの多様化を考えれば、分かりやすいだけの2シリーズ制では、今後の(携帯電話の)進化に応えきれないだろう、と考えました。新たな時代には、スマートフォンも出てきますし、フォームファクターも多様化します。それを2シリーズ制で分類するには限界があります。ですから、(90xi/70xiという)資産を捨ててでも、時代の変化に耐えうるシリーズ構成を作る必要がありました。

 4シリーズ制の導入に伴って、我々も入念な準備とマーケティングを行いました。その結果、お客様の認知度は、大きな変革をしたわりには高いのではないでしょうか。滑り出しは順調にいったと評価しています。むろん、今後も引き続き(4シリーズ制の)認知度向上に努めていかなければなりません。

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