「いよいよクラウドコンピューティングの時代が到来。ケータイユーザーの2台目端末として、大きな市場性を感じている」──。シャープは8月27日、モバイルインターネットデバイス(MID)「NetWalker(PC-Z1)」を発表。登壇したシャープ代表取締役の松本雅史副社長は声高に述べた。
この“NetWalker”を、シャープは携帯電話やスマートフォンの機動力、NetbookやノートPCの機能性、電子辞書の操作性を兼ねた、小型軽量で短時間起動、長時間駆動の特徴を持つ新シリーズ兼“新カテゴリ”に位置付けた。
Netbookと同等の1024×600ドット表示対応の5型ワイドタッチパネル液晶ディスプレイ(LEDバックライト搭載)、68キー仕様のQWERTYキーボード、光学式ポインティングデバイス(シャープ製携帯「SH906i」などに採用例がある)などとともに、CPUにFreescale i.MX515/800MHz、OSにWindowsでなくLinuxディストリビューションの1つ、Ubuntu 9.04(シャープカスタマイズ版)を採用し、512Mバイトのメインメモリと4Gバイトのフラッシュストレージ(うちユーザー使用エリアは2Gバイト)を搭載する。
NetWalkerは、Webブラウズ(Firefox)、電子メール(Thunderbird)、オフィスアプリケーション(OpenOffice.org/Word Processor、Spredsheet、Presentation)、スケジューラー(Sunbird)、画像編集(OpenOffice.org Drawing)、画像再生(Eye og GNOME)、音楽・動画再生(Totem)、テキストエディタ、ターミナルなどの機能が初期状態で使用でき、Ubuntuで提供されるフリーソフトもインターネット経由で取得し、自由にインストールできる。
インターネット接続は内蔵IEEE802.11b/g対応の無線LANのほか、USB接続でイー・モバイルやNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、ウィルコムなどのデータ通信端末も使用できるようキャリア協力により順次ドライバを用意する。残念ながら、ワイヤレスWAN内蔵PCのようにUSIMを差して使用する3Gデータ通信機能は内蔵せず、UQ WiMAX端末の対応予定はない。説明員によると「モバイルWiMAXは、次のモデル(出るならPC-Z2?)での対応になりそう」とのことだ。
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