「NetWalker」はPCでなく、もちろんケータイでもない“第3の新モバイルツール”ひさびさの大ヒットになる予感──と松本副社長(2/2 ページ)

» 2009年08月28日 06時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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photo シャープ パーソナルソリューション事業推進本部の新井優司副本部長

 「OSにLinux──Ubuntuを採用した理由は、モバイル用途に特化するため。(OSのプログラムが占める)容量が(Windowsより)少なく、起動は瞬時。通信を含めてケータイのように手軽に利用でき、かつPCライクな使い勝手は損ねずオフィスツールなども普通に活用する。これらを満たすのにUbuntuが最適と判断した」(シャープ パーソナルソリューション事業推進本部の新井優司副本部長)

 このほか、電子辞書や電子書籍、学習用参考書などの機能追加も想定する。こちらは搭載するmicroSD(SDHC対応)スロットを用い、同社の電子辞書「パピルス」シリーズの追加コンテンツカードのように電子辞書や電子書籍コンテンツをmicroSDに収録して販売、あるいはコンテンツストアを設立してインターネット販売することも想定する。「追加コンテンツは、microSDあるいはダウンロード販売での幅広い展開を考えている。カスタマイズや機能拡張による新たなビジネスモデルも構築したい」(松本副社長)。ただ、追加コンテンツについては2009年8月現在未確定とし、追って詳細を公表するという。なお、Papyrusシリーズ用のコンテンツカードデータはそのまま利用できないようであり、同社ないしサードパーティはPapyrusシリーズ用でない、NetWalker専用のコンテンツを別途用意することになりそうという話だ。


photophoto 本体右側面底部にSDHC対応のmicroSDスロットを備える。今後、NetWalker対応電子辞書や電子書籍コンテンツ入りmicroSDの販売も計画する。右側面にはストラップホールも用意する
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 NetWalkerのコンセプトは「ケータイ Plus One」。“携帯電話と一緒に持ち歩く、もう1台の端末”需要を狙っている。家庭でも外出先でも、通信インフラのブロードバンド化が進み、ユーザーはいつでもどこでもインターネットサービスを利用できる環境がしだいに整ってきたが、携帯電話とノートPCは携帯性や機能性で一長一短があり、日用品化したこれらのどちらか1つでは、多種多様なユーザーの要望に応えにくくもなっている。これらの中間を担うカテゴリには2009年8月現在、Netbookがあるが(シャープもNetbook「Mebius PC-NJ70A」を2009年5月に投入)、それともいくぶん違う。いわく「PCやNetbookではなく、もちろんケータイでもない、新しい“第3のモバイルツール”」なのだという。

 「ザウルス(PDA)のスタンドアロン時代から、Netの時代に変わり、ユーザーの使い方も同じく大きく変わっている。このため、新しい概念を示すシリーズ名称を用いた」(新井本部長)と、マニア層だけでなく、若年層や女性層など幅広い層の獲得も想定したい考えだ。

 「NetWalkerは、そんなクラウドコンピューティング時代に適応する端末。1億契約以上の携帯電話加入者を対象に、これらユーザーの“2台目”端末として市場性を感じている。2009年度末(2010年3月まで)までに10万台の出荷を見込み、2010年度末から本格的に“NetWalker”の50万台規模、あるいはもっと広いワールドワイドでの新市場開拓を狙っていきたい。今後の展開も含め、これは“ひさびさの大ヒットになるのではないか”と強く期待している」(松本副社長)


 コモディティ化が進み、1億を超えた契約者数も頭打ち傾向があるいわゆるケータイは、数年前から“何かに特化した2台目需要”が叫ばれている。一方で、シャープは通信事業者から発売される通信機能内蔵端末として、AQUOSケータイシリーズやW-ZERO3シリーズ、WILLCOM D4インターネットマシン922SHなど、評価に差こそあれ、多くのエポックメイキングな端末を国内市場に送り出している。

 2009年度内に目標10万台という数値は、Linux搭載の軽量・長時間駆動モバイル端末ということで評価するアーリーアダプター層だけではおそらく達成できない。発表会会場に展示されていた“ラインストーン装飾やケモノ柄パネルシール装飾が施されたデモ機”は、それとなくどのような層を取り込みたいのかかいま見える。通信事業者端末の枠から飛び出て、自社製端末で“ケータイの2台目需要向け”に展開する意味を考えると、NetWalkerの戦略が市場にどう受け入れられるか興味深い。

photophotophoto 一応、「なめらかな面の天板パネルを採用するので、このようなこと“も”できる」という例として展示されていたNetWalkerのデコレーション仕様
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