ついにケータイでの動画撮影もフルハイビジョンの時代に突入した。NTTドコモの富士通製端末「F-06B」とシャープ製端末「SH-07B」はいずれもフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)の動画撮影が可能だが、使い勝手を含めた細部はいずれも異なる。
F-06Bは「スライドヨコモーション」と呼ばれる機構を備えており、画面が上下スライドするだけではなく、横へも90度回転する。動画撮影についてはスタイルによって制約があり、画面を縦にした状態、あるいは画面を90度横倒しした状態ではフルハイビジョン撮影が行えず、本体を横に構えた状態でのみ行える。一方、SH-07Bは回転2軸を採用しており縦横の利用スタイルが選択できるが、F-06Bとは異なり、本体を縦にした状態でもフルHD映像が撮影できる。
F-06Bの動画撮影モードは、前述のフルHD(1920×1080ピクセル)のほか、「HD」(1280×720ピクセル)、「VGA」(640×480ピクセル)、「QVGA」(320×240ピクセル)、「QCIF」(176×144ピクセル)の5種類を備えており、フルHD以外の撮影モードならば本体スライドや回転機構がどの状態でも利用できる。SH-07Bの撮影モードもほぼ同一のものが用意されるが、FWVGA(864×480ピクセル)も含めた6種類となっている。
両モデルともファイル形式は.MP4で、映像コーデックはMPEG-4 AVC/H.264、フレームレートは24fps。ハイビジョン動画撮影時のビットレートはいずれも可変となり、F-06Bが最大14Mbps、SH-07Bは最大9Mbps。映像のファイルサイズはビットレートによっても変わってくるが、「フルハイビジョン撮影の場合、2GバイトのmicroSDメモリーカードに約18分のフルハイビジョン映像が保存できます」(F-06Bの説明員)が目安となる。
SH-07BはHDMIを備えており、撮影したフルHD映像をテレビに映して楽しむこともできるが、F-06BはHDMIなど映像外部出力が用意されていないので、鑑賞時にはmicroSDメモリーカードを抜き出し、QuickTimeなどのソフトを使い、パソコンで視聴するのが基本的なスタイルになる。ここは同じフルHD撮影対応製品でも大きな違いといえるだろう。
フルHDには対応せず画像サイズは最大1280×720ピクセルとなるが、この「撮影した映像をどう楽しむか」にひとつの答えを提案しているのが、NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の「N-04B」。IEEE802.11b/gの無線LAN機能とDLNA準拠ソフト「メディアスリンク」を搭載しており、DLAN準拠のパソコンなどへ撮影した動画を転送することができる。転送ではなく、N-04Bからのストリーミング映像再生も可能だ。
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