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» 2013年04月22日 13時00分 公開

スマホ向け無料通話・メッセージアプリの現状を探る(前編)利用者急増中(3/5 ページ)

[佐野正弘,ITmedia]

通話品質と実名制でリアルコミュニケーションに注力する「comm」

photo 「comm」

 先行するLINEとカカオトークを急速に追い上げているのが、ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供している「comm」だ。サービスの開始は2012年10月と、同種のアプリとしてはかなり後発。だがアプリの提供直後から高い注目を集めたのに加え、積極的なプロモーション攻勢などもあり、2012年12月末には会員数を一気に500万ユーザーまで拡大させた。

 commの通話機能も外部発信は備えておらず、会員同士の無料通話が主体となる。また通話できる相手も、LINEと同様に1対1であり、カカオトークのようなグループ通話機能は備えていない。機能的にはシンプルだが、一方で通話品質の高さを重視しているのが特徴だ。実際に通話して使ってみても、ほかのアプリよりも通話品質が高い印象を受ける。

photophoto 音声品質に力を入れるcommの通話画面。機能自体はLINE同様、会員同士の1対1での通話のみとシンプルだ(写真=左)。実名制を採用するのもcommの大きな特徴。会員登録時に氏名の入力が求められるほか、Facebookのように近しい関係にあると思われる、おすすめの友達を紹介する機能も備える(写真=右)

 トーク機能に絵文字やスタンプといった基本的な要素を備えるものの、LINEやカカオトークなどと比べるとシンプルなサービス構成だ。コンテンツを流通させるプラットフォームとしての機能は備えておらず、スタンプもすべて無料で提供。同じDeNAの主力サービスである「Mobage」やショッピング系サービスとの連携も現在はなされておらず、あくまでコミュニケーションを重視するアプリ――という姿勢を見せている。

 その方針の背景にあるのは、commのもう1つの特徴でもある“実名制”にあると言えるだろう。LINEやカカオトークは実名を登録しなくても利用できるが、commは登録時に本名の入力が求められ、実名での利用が前提となっている。アドレス帳を用いたマッチングでリアルな人間関係を取り込むだけでなく、実際の名前を用いることで友達同士のやり取りをしやすくしたり、同窓生などとの再会をもたらす“おすすめの友達”を紹介するなど、開発思想はFacebookに近い。リアルな人間関係上にあるコミュニケーションを重視しているのだろう。

photophoto トーク機能は静止画スタンプが利用できるなど最近のトレンドを押さえる一方、投稿したメッセージを10秒以内なら削除できるなど独自の機能を備える部分も(写真=左)。最大300人まで登録でき、他のユーザーに公開もできる「グループプロフィール」機能を追加。SNSのサークル機能に近い位置付けとしても活用できそうだ

 それを象徴するようにcommは、4月5日に「グループプロフィール」という新機能を追加した。これは職場の部署や学校のサークル単位でトークグループを作成する機能で、最大300人が参加できる。グループの存在を公開できるため、入りたいグループを参加者が探せるなど、コミュニケーションの活性化に役立てられるという。これ以外の機能やサービスも、リアルな人間関係の活性化に向けた姿勢が見られる。

photo iOS版「comm」
photo Android版「comm」

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