「Xperia Z」 日本の技術が可能にしたソニー独自の“中身”を分解して知る:バラして見ずにはいられない(2/3 ページ)

» 2013年05月01日 16時07分 公開
[柏尾南壮(フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ),ITmedia]

パナソニック製の12層基板を採用するXperia Z

 次に、メイン基板につながるすべてのコネクタを外して基板を外す。メイン基板の面積は端末面積の3分の1程度で、両面に部品を実装する。全体に占める面積の割合は少ないが、5インチの液晶ディスプレイを搭載するXperia Z自体が大きいためで、基板の面積としては比較的ゆとりがある。HTC J Butterflyの基板のように、隙間なく部品を配置しているわけではない。

 メイン基板上部に(M)の刻印があり、パナソニック製の基板と推定できる。基板断面には12の配線層が確認できる。LG Innotekなどが最初に12層基板の採用を始めたが、機能と部品が増えるにつれて配線も増え、基板配線層も増加する傾向にある。もっとも、配線長が伸びるということは、それだけ電気抵抗が大きくなり発熱も増えることを意味する。配線は短いに越したことはない。基板表面の大部分を電気的ノイズを防止する金属シールドで覆っている。シールドのカバーを取り外し、次いで支柱をプライヤなどで取り除くと基板全体が姿を現す。

システム基板ディスプレイ側に実装したWWAN用チップ(写真=左)とデバイス制御用チップ(写真=中央)、そして、背面側に実装したデバイス制御用チップ(写真=右)

ソニーの自社チップで固める基幹機能

 ソニーは、携帯電話やスマートフォンメーカーであるとともに、過去を振り返れば通信機のノウハウも持つ。プロセッサやモデムのチップセットはクアルコムがシェアの多くを握っており、Xperia Zもクアルコムの「APQ8064」を搭載する。しかし、送信と受信を切り替えるアンテナスイッチはソニーがシェアを守っており、Xperia Zでは同社のCXM3582を採用している。CXM3582はソニー以外のスマートフォンでも多くのモデルで採用している。このアンテナスイッチは「SP10T 」(Single Pole 10 Throw)タイプと呼ぶもので、アンテナ1本で第二世代通信規格GSMから最先端のLTEまで多くの通信モードの送受信に対応する。

 日本では「おサイフケータイ」で使っているRFIDが依然として普及しているが、その次世代規格NFC(Near Field Communication)コントローラもソニー製だ。Xperia Zに搭載するチップにも大きく「SONY」と刻印している。型番は「CXD2335」と思われるが、該当する型番のデータシートなどは現時点で確認できていない。このICはRFIDとNFCの両方に対応する。

 メインカメラの撮像子は、13.1メガピクセル CMOSイメージセンサだ。ソニー・モバイルコミュニケーションズのXperia Zを紹介する公式Webページによると、このセンサはソニーの裏面照射型の最新タイプで、これまで画素の脇に配置していた回路を画素の下に移動した「積層型構造」と呼んでいる。Xperia Zのカメラは、顔認識から夜景撮影までコンパクトデジタルカメラに相当するほどに多くの機能を用意している。

メインカメラの撮像子(写真=左)とシステム基板に用意したコネクタ(写真=中央)。側面ボタンとマイクを実装したフレキシブルケーブル(写真=右)

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