NTTドコモの加藤薫社長は4月25日に行われた同社の決算会見で、次世代高速通信規格「LTE-Advanced」を2014年度中に導入すると表明した。複数の帯域を束ねて通信するキャリアアグリゲーション(CA)を用い、下り最大225Mbpsの高速通信を提供する。
同社は現在、下り最大150MbpsのLTEサービスを提供しており、ネットワークのさらなる高速化を図って競争力を強化する方針。なお、LTEサービスの「Xi」ブランドをLTE-Advancedでも継続するかは「現時点で未定」(ドコモ広報部)だという。LTE-Advancedの本格導入後は、「5G」の開発を進め、将来的には下り最大10Gbpsの通信速度を目指す。
さらに既存のLTE基地局も大幅に増強。3月末時点の同社LTE基地局数は5万5300局だが、これを本年度末までに約1.7倍の9万5300局へ増やす。特に、現在は3500局にとどまっている100Mbps以上のLTEに対応した基地局を、10倍以上の4万局にするという。
LTEのカバーエリアについて加藤社長は、「本年度でFOMAと同程度、(人口カバー率で)99%以上になる。下り最大150Mbps以上のエリアも増え、広さでもスピードでも、LTEの仕上げの年かな。と思う」と述べた。
またLTE関連では、この夏に「VoLTE」(Voice over LTE)を開始する。加藤社長はVoLTEのメリットについて、「高音質で低遅延なため、さらに通話しやすくなる。事業者にとっては、周波数の利用効率が3倍アップする点がメリットだ」と説明した。
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