柔らかいフォルムにクラシカルなデザインで、大人の雰囲気を醸し出しているのがASUSの「ZenWatch」である。本革ベルトを採用しているため、スーツにも似合う。腕時計のように自然に使いたい人やデバイスで自己主張したくない人におすすめだ。
スマホ側に独自の管理アプリ「ASUS ZenWatch Manager」を入れることで、詳細設定や拡張機能の利用が可能になるのも魅力の1つ。画面を手のひらで覆って着信音やアラーム音をミュートにしたり、見当たらないスマホを呼び出し音やバイブレーションで見つけたり、スマホカメラのシャッターを切ったりできるほか、ASUS Wellnessなど独自の健康管理アプリも用意されている。さらに、同社製スマートフォン「Zenfone 5」とセットで使うとスケジュール管理もできる。
こちらも充電には専用の充電アダプターが必要で、バッテリー持ちは約1日強といったところ。デザインは非常に好感が持てるが、ほかの製品と比べると、表示の粗さがやや気になった。ボタンは1つで、側面からかなり下寄りについている。画面を覆ってミュートにする機能などを使えば基本的にボタンを押さずに済むが、目立たない分、押しにくい位置ではある。また、金属のバックルがPCのパームレストに当たりやすいため、タイピングの際は注意が必要だ。
防水性能は最も低いIP55。本革ベルトということもあり水没はもちろんNG。心拍センサーも内蔵されているが、シルバーのベゼル部分の両端がセンサーになっており、指2本を画面端に15〜20秒ほど当てることで測定するものであり、運動中の心拍数測定にはあまり向かない。
ソニーモバイルコミュニケーションズの「SmartWatch 3」は、防水性能がIP68と最も高く、水没もOK。水回りでの使用や水泳時も安心なデバイスだ。フィットネスバンドライクなデザインなので、他と比べると第一印象でかなり見劣りすることを懸念していたが、本体以外は丸ごと交換できるので、今後着せ替え用のオプションバンド次第で雰囲気をがらりと変えられる可能性を秘めている。リストバンドのしなやかさもあって、つけ心地は悪くない。
充電に専用アダプターは不要で、Micro USB端子を背面に直挿しできる。USBケーブルさえあれば充電できるが、都度キャップを外さなくてはならない。バッテリー持続時間が1日程度のため、毎日キャップを開閉することになる。小さなキャップを開ける手間もかかるが、キャップの耐久性も心配になってくる。
現段階で利用できる機能にほかと大きな違いはみられないが、Wi-FiやGPS、音楽のオフライン再生などの機能が含まれており、今後のアップデート次第で活用の場が広がる可能性がある。登場してくるアプリによっては、防水性能と相まって、本当の意味でワイルドに使えるデバイスになるかもしれない。
Android Wearデバイスを使っていて最近便利だなと思ったのは、Android 5.0 Lollipopの新機能「SmartLock」である。BluetoothやNFCで接続するデバイスを「信頼できる端末」として登録しておくと、そのデバイスが手元にある場合はロック解除画面をスキップでき、逆にデバイスがない場合はロック解除画面が現れるというもの。ZenWatchの電話のアンロックと類似の機能となるが、Android Wearがセキュリティに一役買うというわけだ。
これまではスマホからの通知機能が中心のAndroid Wearデバイスだが、今後はアプリのアップデートなどを通じてより便利なスマホライフを堪能できるかもしれない。
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