ヨドバシAkibaで夏モデル18機種を一斉テスト ベンチマークが最も優秀なスマホはどれ？：最新スマートフォン徹底比較（2015年夏モデル編）（2/2 ページ）

[平賀洋一，ITmedia]

「AnTuTu Benchmark」で総合的な性能を比較

　ベンチマークテストは、CPU、GPU、メモリ、I/O（データの読み書き）などを総合的に評価する「AnTuTu Benchmark（バージョン5.7.1）」を利用した。64ビット機には、対応する64ビット版を追加インストールしている。

　測定は連続3回行い、平均値を算出して比較した。18機種中最もスコアが高かったのは、自社（Samsung）製の8コアプロセッサ「Exynos 7420」（2.1GHz 4コア＋1.5GHz 4コア）を搭載した「Galaxy S6 edge」。スコアはソフトバンク版が唯一の70000台をたたき出しわずかの差でトップに。そして2位3位にドコモ版（SC-03G）とau版（SCV31）が入り、トップ3を独占した。

Galaxy S6 edgeで測定したAnTuTu Benchmarkの結果。左から、ソフトバンク版、ドコモ版、au版で出た最高値

18機種による「AnTuTu Benchmark」の測定結果

　やや離れた50000台前半のスコアで4位争いをしたのが、各社の「Xperia Z4」3機種と「HTC J butterfly HTV31」。Xperia Z4はGalaxy S6 edgeとは逆に、ソフトバンク版の数値がやや低めになった。この4台はQualcommの8コアプロセッサSnapdragon 810「MSM8994」（2GHz 4コア＋1.5GHz 4コア）を搭載しているのが共通点だ。

　さらに40000台半ばのスコアで、「isai vivid LGV32」「Xperia A4 SO-04G」「ARROWS NX F-04G」「Disney Mobile on docomo DM-01G」の4機種がグループを作っている。Xperia Z4と同じ8コアプロセッサを搭載するF-04Gだが、スコアは6コアプロセッサのSnapdragon 808「MSM8992」（1.8GHz 2コア＋1.4GHz 4コア）を搭載するLGV32や、4コアプロセッサのSnapdragon 801「MSM8974AC」（2.5GHz）を搭載したSO-04Gよりも低い結果になった。またSO-04GはDM-01Gと同じプロセッサを採用しているが、ベンチマークではやや上回っている。そして2機種とも、6〜8コアのスマホよりもシングルスレッドの数値が高いのも特徴だ。

18機種による「AnTuTu Benchmark」の詳細な測定結果

「AnTuTu Benchmark」の測定数値（その1）

機種名	合計	UX：マルチタスク	UX：Dalvik	CPU：整数演算	CPU：浮動小数点演算	CPU：single-thread-itneger	CPU：single-thread floar-point
Galaxy S6 edge(404SC)	70010	9338	4249	10959	6417	2414	2228
Galaxy S6 edge SC-04G	68164	9645	4252	10193	6191	2152	1985
Galaxy S6 edge SCV31	68157	9278	4237	10109	6091	2518	2149
Xperia Z4 SOV31	54449	5722	4072	6851	4043	2348	2062
Xperia Z4 SO-03G	53640	5529	3987	6720	3891	2322	2021
HTC J butterfly HTV31	51606	5454	4125	6531	3991	2303	1889
Xperia Z4(402SO)	50426	4758	3950	5915	3688	2166	1899
isai vivid LGV32	46512	5483	4086	5798	3911	2151	1899
Xperia A4 SO-04G	46163	6904	3856	3689	3900	2792	2504
ARROWS NX F-04G	44317	4221	2832	4305	4007	1581	1523
DMod DM-01G	44154	6556	3594	3359	3385	2741	2465
AQUOS SERIE SHV32	33528	3380	3295	2347	2215	1133	453
AQUOS ZETA SH-03G	30997	2568	1810	1861	1525	1025	874
AQUOS Xx(404SH)	29845	2694	3254	1450	1379	845	623
URBANO V02	21710	3166	2125	1783	1888	1279	1044
TORQUE G02	21534	3200	2147	1772	1868	1263	1037
AQUOS CRYSTAL 2	19974	2768	1920	1523	1612	1083	888
AQUOS EVER SH-04G	19666	2772	1907	1524	1617	1085	890

「AnTuTu Benchmark」の測定値（その2）

機種名	合計（再掲）	RAM：演算能力	RAM：速度	GPU：2Dグラフィックス	GPU：3Dグラフィックス	IO：ストレージのI/O	IO：データベースのI/O
Galaxy S6 edge(404SC)	70010	3424	4721	1633	21334	2570	723
Galaxy S6 edge SC-04G	68163.66667	3191	4662	1634	20971	2571	717
Galaxy S6 edge SCV31	68157	3176	4391	1629	21288	2571	720
Xperia Z4 SOV31	54449	1938	4706	1664	17788	2567	688
Xperia Z4 SO-03G	53640	1973	4231	1664	18285	2340	677
HTC J butterfly HTV31	51606	2018	3727	1657	16652	2567	692
Xperia Z4(402SO)	50426	1740	3707	1665	17794	2459	685
isai vivid LGV32	46512	2010	3925	1658	12343	2566	682
Xperia A4 SO-04G	46163	2090	2351	1646	14304	1434	693
ARROWS NX F-04G	44317	2710	3233	1377	15296	2554	678
DMod DM-01G	44154	1683	2203	1649	14030	1774	715
AQUOS SERIE SHV32	33528	935	1751	1648	14263	1571	537
AQUOS ZETA SH-03G	30997	1100	2610	1602	14130	1349	543
AQUOS Xx(404SH)	29845	609	1234	1660	14230	1405	462
URBANO V02	21710	1542	1882	947	3990	1412	652
TORQUE G02	21534	1531	1815	975	3877	1399	650
AQUOS CRYSTAL 2	19974	1318	1891	960	3894	1457	660
AQUOS EVER SH-04G	19666	1317	1915	1018	3854	1115	652

　夏モデルのAQUOS3兄弟、「AQUOS SERIE SHV32」「AQUOS ZETA SH-03G」「AQUOS Xx」（404SH）はやや振るわなかった。いずれも8コアの「MSM8994」を採用しているが、スコアは30000前半と、同じプロセッサを採用したスマホとの差が大きく出ている。ベンチマーク内容の詳細な結果を見てみると、グラフィックス関係のテストは相応の数値だが、特にシングルスレッドの演算処理とメモリ（RAM）演算処理の数値が低くい。

　端末が初期設定状態のため、省エネ機能がしっかり効いている可能性がある。いずれにせよ、そのままでは持てるパフォーマンスを生かしきれていないようで、ちょっともったいない印象だ。

　最後方には、4コアプロセッサのSnapdragon 400シリーズを搭載する「URBANO V02」「TORQUE G02」「AQUOS CRYSTAL 2（403SH）」「AQUOS EVER SH-04G」がまとまった。この4機種はさらに、1.4GHz駆動の「MSM8928」を採用するV02とG02、1.2GHz駆動の「MSM8926」を採用したAQUOS CRYSTAL 2とSH-04Gの2グループに分かれている。

　この4機種は20000前後のスコアだが、これは2013年にベストセラーとなった“ツートップ”モデルの「Xperia A SO-04E」とほぼ同じ計測結果だ。普段使うには十分な性能を持たせつつ、使う場所を選ばないタフネスさやケータイからの乗り換えを狙ったお買い得感を持たせている。

　さて後編では、3Dグラフィックスの性能と、バッテリーの省電力性能の測定結果を比較。さらにヨドバシカメラマルチメディアAkibaの担当者に、この夏の売れ筋スマホ情報を教えてもらう予定だ。