国内ではまだ試すことが難しい有線によるContinuumだが、米国のMicrosoft Storeや欧州の家電量販店では普通に展示されており、誰もが自由に体験できる状態になっていた。無線によるContinuumも意外なほど操作性は良いが、マウスカーソルを動かしながらクリックを続けるような生産性アプリケーションでは、有線のほうがはっきりと快適に感じる可能性がある。
無線によるContinuumが国内で実現した今、「日本初の有線Continuumを実現するメーカー」が次の焦点になりそうだ。
CES 2016でもう1つ目を引いたのが、Windows 10 Mobileを搭載したタブレットが幾つか登場したことだ。
Windows 10 Mobileはスマホ専用のOSではなく、8型未満のタブレットもターゲットにしている。一方、8型以上のタブレットならPC向けと同じフル機能のWindows 10を搭載すればよい、というすみ分けだ。
これまでは8型「未満」がWindows 10 Mobile、「以上」がWindows 10として理解されていたが、CES 2016では8型のWindows 10 Mobileタブレットという、やや解釈に困るデバイスも登場した。ただ、いずれもスペックは高くなく、Continuumには対応しない。スマホのWindows 10 Mobileをそのまま拡大したような画面は、やや使いにくい印象を受けた。
今後の可能性を考える上では、7〜8型のWindows 10 Mobileデバイスにどういうメリットがあるのか、という点が問題になるだろう。かつて10型クラスではWindows RTを搭載したタブレットもあったが、Windows 8タブレットによって駆逐されてしまった。同じ画面サイズなら、PCと同じWindows 10が動作するタブレットに機能面では見劣りするだろう。
だがWindows 10 MobileはWindows Phoneの後継OSとして、PCよりも手軽に扱えるスマートデバイスとしての側面もある。Qualcommのチップセットによる安定したLTE通信や、Continuum対応、Atomプロセッサを採用したデバイスでは既に実現しているAndroidとのデュアルブートなどが実現すれば、Windows 10タブレットとは異なる独自の市場を開拓することもできるのではないだろうか。
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