4万〜7万円台のハイエンドSIMフリースマホを徹底比較――スタミナ&ベンチマークテスト編最新スマートフォン徹底比較(2/3 ページ)

» 2016年04月12日 17時56分 公開
[島徹ITmedia]

ベンチマーク性能はNexus 6Pが優秀、GPUの違いが大きい

 ベンチマークテストは、CPUや実際のアプリ動作、グラフィックスなどの性能を総合的に評価する「AnTuTu Benchmark(バージョン6.0.4)」と、3Dグラフィックスの性能を評価する「3DMark Ice Stome Unlimited」で計測した。測定は連続3回行い、最高値を比較した。

 また、このベンチマークテストでは比較用に2機種分のテスト結果を追加している。1つは、3万円台SIMロックフリースマートフォンの記事で利用したソニーモバイルコミュニケーションズのドコモ向け端末「Xperia Z3 Compact」。もう1つは、Nexusシリーズで以前人気だった「Nexus 5」だ。

OS、プロセッサ、メモリ
機種名 OS プロセッサ メモリ
Nexus 6P Android 6.0 Qualcomm Snapdragon 810 v2.1 MSM8939(2GHz/4コア+1.5GHz/4コア) 3GB
Nexus 5X Android 6.0 Qualcomm Snapdragon 808 MSM8916(1.8GHz/8コア) 2GB
ZenFone Zoom(ZX551ML) Android 5.0 Intel Atom Processor Z3590(2.5GHz/4コア) 4GB
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) Android 5.0 Qualcomm Snapdragon 616 MSM8939(1.7GHz/4コア+1.0GHz/4コア) 3GB
Mate S Android 5.1 Hisilicon Kirin 935 (2.2GHz/4コア+1.5GHz/4コア) 3GB
Desire EYE Android 5.1 Qualcomm Snapdragon 800 MSM8974(2.3GHz/4コア) 2GB
Nexus 5 Android 6.0 Qualcomm Snapdragon 800 MSM8974(2.26GHz/4コア) 2GB
Xperia Z3 Compact SO-02G Android 5.0 Qualcomm Snapdragon 801 MSM8974PRO-AC(2.5GHz/4コア) 2GB

 AnTuTuの測定結果を見ると、最新のハイエンド向けプロセッサを搭載したNexus 6Pのスコアがトップだ。他の機種がミドル寄りのハイエンドプロセッサを搭載するなか順当な結果といえる。

 なお、AnTuTuの結果の内訳をよく見ると、Nexus 6PとNexus 5X、ZenFone Zoom(ZX551ML)、Mate S以外の端末は3Dのスコアが極端に低い。ベンチマークの仕様上か、少し前のプロセッサを搭載したモデルはこの現象が起きる。実際の3Dグラフィックスを利用したアプリの挙動については、3DMarkのスコアを参考にした方が実際の動作に近い差を確認できる。

 プロセッサやアプリの動作に関するUX部分のスコアに目を向けると、最新ハイエンドのNexus 6Pと、ミドルクラスのプロセッサを搭載するZenFone 2 Laser(ZE601KL)以外はそこまで差がないことが分かる。実際、このクラスのプロセッサだとスマホの通常の操作にあまり違いはなく、処理性能不足を感じることもほとんどない。

 だが、アプリを連続動作させた場合の発熱はメタルボディーのNexus 6PやMate Sはほんのり暖かい程度だが、Desire EYEは防水・防じん仕様なのも影響してか、やや熱を持ちやすいように感じられた。

「AnTuTu Benchmark(バージョン6.0.4)」のスコア
合計スコア 3D UX CPU RAM
Nexus 6P 84865 28678 28992 22629 4566
Nexus 5X 67164 20780 23185 19001 4198
ZenFone Zoom(ZX551ML) 66630 16872 21441 23617 4700
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) 35987 2551 14850 15415 3171
Mate S 51117 8292 20962 16819 5044
Desire EYE 51874 4076 20786 22133 4879
Nexus 5 51514 4149 21344 21390 4631
Xperia Z3 Compact SO-02G 48757 3583 18742 21574 4858
SIMフリースマホ

 3DMarkの3Dグラフィック性能については、Nexus 6Pに次いでZenFone Zoom(ZX551ML)が良好なスコアを残している。その他のモデルもおおむね10000台後半だ。ハイエンドCPU搭載モデルの中では、Mate Sのみスコアが11040と低く、ミドルクラスのZenFone 2 Laser (ZE601KL)のスコアに近い。

 しかし、このスコアだけではどの程度の3Dグラフィック性能なのか分かりづらいだろう。そこで、スマホアプリでもかなり高性能な3Dグラフィックス性能を要求するゲームアプリ「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(以下デレステ)」での動作について記しておく。このゲームの高難度曲を標準設定でほぼコマ落ちなく表示できれば、iPhone 6sやGalaxy S6 Edge並みのトップクラスの性能があるといっていい。そこまで行かなくても、軽量設定で快適に動けば、ほかの3Dグラフィックゲームも快適に遊べるはずだ。

 結果、高画質な標準設定で快適に動作したのは、3DMarkのスコアが良好だったNexus 6PとZenFone Zoom(ZX551ML)だった。大画面スマホなのでデレステを遊ぶにはやや持ちにくいが、十分な処理性能があるといっていい。

「3DMark」のスコア
スコア
Nexus 6P 26975
Nexus 5X 18903
ZenFone Zoom(ZX551ML) 21509
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) 7794
Mate S 11040
Desire EYE 17929
Nexus 5 17846
Xperia Z3 Compact SO-02G 19468
SIMフリースマホ

 軽量設定だと、Nexus 5XとDesire EYEはコマ落ちもほぼなく快適に、ZenFone 2 Laser (ZE601KL)とMate Sはややコマ落ちが気になるものの遊ぶことはできた。

 処理性能全体について見ると、ハイエンドスマホが欲しいならNexus 6Pが一番良い。Googleの端末ということもあり、最新OSでいつでも最高のパフォーマンスを引き出せるのも強みだ。

 それ以外の端末も、一般的なアプリの利用ではそこまで差を感じない。差があったとしても、アプリのインストール処理で他のハイエンド端末よりZenFone 2 Laser(ZE601KL)がやや遅いというぐらいだ。今回テストした端末はいずれも動作が安定しており、操作中にストレスを感じることはなかった。

 ただし、スマホで高画質な3Dグラフィックのゲームを遊ぶなら事情は異なる。ハイエンドとミドルクラスのグラフィック性能は3D Markのスコア通り2〜3倍は異なる。快適に高画質なゲームを最低でもNexus 5XやDesire EYE以上のスマホを選んだ方がいいだろう。

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