2015年後半から2016年初頭に発売された、4万円〜7万円台の高価格帯SIMロックフリースマートフォンの比較レビュー。前編では外観や特徴となる機能、持ちやすさについて見てきたが、後編ではバッテリーの持ちや処理性能に関するベンチマークテスト、対応する周波数帯について見ていこう。
今回もGoogle(Huawei製)の「Nexus 6P」、Google(LGエレクトロニクス製)の「Nexus 5X」、ASUSの「ZenFone Zoom (ZX551ML)」、ASUSの「ZenFone 2 Laser (ZE601KL)」、Huaweiの「Huawei Mate S(以下、Mate S)」、HTCの「HTC Desire EYE」の6機種を取り上げる。
機種名 | OS | 画面サイズ | 画面解像度 | バッテリー容量 | 価格(税別) |
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Nexus 6P | Android 6.0 | 5.7型(有機EL) | WQHD(1440×2560ピクセル) | 3450mAh | 6万9259円(32GB) 7万4814円(64GB) |
Nexus 5X | Android 6.0 | 5.2型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 2700mAh | 4万8425円(16GB) 5万2222円(32GB) |
ZenFone Zoom(ZX551ML) | Android 5.0 | 5.5型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 3000mAh | 4万9800円〜6万8800円 |
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) | Android 5.0 | 6型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 3000mAh | 4万1800円(32GB) |
Mate S | Android 5.1 | 5.5型(有機EL) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 2700mAh | 7万9800円 |
Desire EYE | Android 5.1 | 5.2型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 2400mAh | 5万2800円 |
※価格は2016年4月12日時点。公式オンラインショップ調べ。 |
普段の利用で一番重要な、バッテリーの持ちについて見ていこう。多くの場合、画面サイズが小さくバッテリー容量が大きいほど長く動作する。これに加えて、CPUの挙動やアプリのバックグラウンド処理、定期的な通信、各種センサーの制御方法などは、メーカーのチューニングによっても違いが出てくる。
バッテリー持ちについては、YouTubeの動画の連続再生と静止画の連続表示時間をテストした。条件は以下の通りだ。
YouTubeの動画再生テストについては、HDサイズの動画リストを連続再生する形で実施。スピーカー音量はオフにしてバッテリー切れになるまで計測した。
動画再生ではNexus 6Pが6時間42分と最も長く再生できた。Nexus 6Pは画面が5.7型と大きいが、その分を大容量の3450mAhバッテリーで補っている。この機種の有機ELは発色がよく、フロントステレオスピーカーも搭載しており動画の視聴にはかなり適した端末といえる。
次いで、ZenFone Zoom(ZX551ML)が6時間28分と長時間再生できた。この他の端末もおおむね5時間台と良好だ。ZenFone 2 Laser(ZE601KL)の再生時間は、6型大画面にもかかわらずバッテリー容量が3000mAhしかないことが影響してか、4時間32分と短かった。
再生時間 | バッテリー容量 | |
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Nexus 6P | 6時間42分 | 3450mAh |
Nexus 5X | 5時間08分 | 2700mAh |
ZenFone Zoom(ZX551ML) | 6時間28分 | 3000mAh |
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) | 4時間32分 | 3000mAh |
Mate S | 5時間18分 | 2700mAh |
Desire EYE | 5時間26分 | 2400mAh |
次に、画面に標準のギャラリーアプリでフルHDサイズの画像を常時表示し、10時間後にバッテリーの減り具合を確認した。条件は動画再生と同じだが、バックライトを常時点灯させるために「Backlight Switch」というアプリもインストールしている。
結果、こちらもNexus 6Pがバッテリー残量51%と良好な結果を残した。次いで、Nexus 6Pと同じく有機ELを採用したMate Sも残量46%とバッテリー持ちがよかった。このテストで10時間以内にバッテリーが切れる端末はなく、いずれも1日数時間の利用で2日程度は使えるスタミナがあるとみていいだろう。
バッテリー残量 | バッテリー容量 | |
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Nexus 6P | 51% | 3450mAh |
Nexus 5X | 34% | 2700mAh |
ZenFone Zoom(ZX551ML) | 25% | 3000mAh |
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) | 28% | 3000mAh |
Mate S | 46% | 2700mAh |
Desire EYE | 33% | 2400mAh |
気になるのは、動画の再生では良好な結果を残したZenFone Zoom(ZX551ML)が、静止画の表示ではバッテリーの減りが速かった点だ。推測だが、今回テストした端末の中では唯一のIntel製プロセッサを搭載しており、メモリも4GBと大容量だ。実績のあるQualcomm製やHisilicon製プロセッサ搭載モデルと比べて、待受け状態や複数のアプリが動作している状態での省電力周りの最適化が進んでいないのかもしれない。
スマホの急速充電についての仕様にも触れておこう。今回テストした機種のうち、Nexus 6PとNexus 5XはUSB-C端子を採用している。USB-Cは給電電力の仕様が拡張されており、付属の5V/3A(15W)出力に対応したACアダプターなどでより高速に充電できる。
ZenFone Zoom(ZX551ML)とDesire EYEは、Quick Charge 2.0規格の急速充電に対応。Quick Charge 2.0対応のACアダプターにつなげば、9V/2A(18W)での急速充電が可能だ。
これらの新しい急速充電に対応した端末は、おおむね1時間半から2時間でフル充電できた。従来の5V/2A(10W)急速充電に対応するMate SとZenFone 2 Laser (ZE601KL)はフル充電に約2時間半から3時間かかる。
機種名 | 充電仕様 | 対応充電器の最大電力 | バッテリー容量 |
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Nexus 6P | USB Type-C(USB-C) | 5V/3A(15W) | 3450mAh |
Nexus 5X | USB Type-C(USB-C) | 5V/3A(15W) | 2700mAh |
ZenFone Zoom(ZX551ML) | Quick Charge 2.0 | 9V/2A(18W) | 3000mAh |
ZenFone 2 Laser(ZE601KL) | 急速充電 | 5V/2A(10W) | 3000mAh |
Mate S | 急速充電 | 5V/2A(10W) | 2700mAh |
Desire EYE | Quick Charge 2.0 | 9V/2A(18W) | 2400mAh |
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