日本で再起を図るMotorola――「Moto Z」や「Moto Mods」の反響は「極めて良かった」SIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/3 ページ)

» 2016年12月12日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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 急成長するMVNO市場を狙い、メーカーもSIMロックフリー端末を続々と発売している。この市場はASUS、Huawei、FREETELが3強だが、市場の拡大に伴い、メーカー数も徐々に増えている。Lenovo傘下のMotorolaもその1社だ。Motorolaは携帯電話メーカーとしては老舗で、携帯電話=音声電話機だったころから端末の開発を続けてきた。

 その後、スマホ時代になり、端末事業はGoogleに買収され、紆余曲折をへたのち、Lenovoに買収されることになる。現在は、Lenovoの一事業という位置付けで、同社はLenovoとMotorolaという2つのブランドを、市場の特性に応じて使い分けている。

 日本では、かつてKDDIやソフトバンクにスマートフォンを納入した実績のあるMotorolaだったが、その後しばらくは“空白期間”が続いていた。Googleブランドで発売した「Nexus 6」はあったものの、Motorolaブランドの端末は市場から姿を消してしまっていた。その間にMVNOが台頭し、SIMロックフリースマホとしてメーカーが独自に店頭に並べるビジネスモデルが、徐々に定着して始めていた。Motorola自身も、「Moto G(第3世代)」や「Moto X Play」など、ミッドレンジのスマートフォンを小規模ながら展開していた。

 そして、そのMotorolaが満を持して投入したのが「Moto G4 Plus」だ。このモデルは、LTEと3GのデュアルSIM、デュアルスタンバイ(DSDS)に対応しており、2社のSIMカードを同時に利用できることが話題を集めた。さらに、10月にはフラグシップモデルとなる「Moto Z」や、その派生機である「Moto Z Play」を投入。日本市場で再起を図るべく、ラインアップの幅を上に広げてきた。

MotorolaMotorola フラグシップモデルの「Moto Z」と、ややスペックを落とした「Moto Z Play」

 Motorolaはどのような戦略で日本市場攻略に取り組んでいくのか。Motorola Mobility のダニー・アダモポーロス社長に、お話をうかがった。

総務省のガイドラインが追い風に

Motorola Motorola Mobility のダニー・アダモポーロス社長

――(聞き手、石野純也) 最初に、このタイミングでSIMフリー市場に本腰を入れ始めた理由を教えてください。

アダモポーロス氏 日本はオペレーター(キャリア)中心のマーケットで、Motorolaは、auやソフトバンクに端末を提供してきました。ただ、今年(2016年)に入って政府がマーケットに介入を始め(実質0円禁止のガイドラインのこと)、SIMフリー端末のマーケットがオープンになりました。これは、Lenovoから見るとチャンスで、1つのきっかけになっています。

 SIMフリーの製品は以前からありましたが、オペレーターはそれを必要としていませんでした。オペレーターのニーズに合っていなかったからです。そこに規制がかかったことで、SIMフリーがコンシューマーのスイートスポットにはまる製品になりました。バリューセグメントの製品を探していたユーザーには、またとない機会だったでしょう。

―― ガイドライン以前もMoto GやMoto X Playを出されていましたが、ガイドラインは追い風になったと見ていますか。

アダモポーロス氏 はい。実際に売上は右肩上がりで、減速の兆しも見えません。インパクトとしては、プラスのものがありました。これが政治的に正しいのかどうかはひとまず置いておきますが、分かっていることとしては、私どもの製品を買っていただいたユーザーの半分が、フィーチャーフォンからの乗り換えだったということです。

 残り半分は、これまでスマートフォンを使っていたユーザーですね。スマートフォンが高すぎて買えないというユーザーが、日本の方針が変わり、ローコストであればということで、SIMフリーを使うようになってきているのは確かです。

Moto G4 PlusはAndroid 7.0でVoLTEに対応へ

―― Moto GやMoto X Playもそれ以前に出されていましたが、本格展開はMoto G4 Plusからという理解でよろしいでしょうか。

アダモポーロス氏 そうですね。ただ、それ以前から、BIGLOBEや楽天、NTTレゾナントとのディスカッションは始めていて、MVNOとの協業は大成功でした。次のステップとして、パートナー側からデュアルSIMのサポートもしてほしいという要望があり、これに対応したのがMoto G4 Plusです。デュアルSIMであれば、通常のキャリア(ドコモなどのMNO)にMVNOのSIMカードをプラスして使えます。データSIMだけをMVNOにするという形で使えるのです。

Motorola 「Moto G4 Plus」

―― デュアルSIMサポートはMVNOの声を受けてということですね。

アダモポーロス氏 ただし、何よりもまずはコンシューマーファーストで考えています。最終的に端末を買うのはユーザーですからね。ユーザーが何を求めているのかは、常に注視したいと考えています。

 MVNOからの意見としては、ユーザーが自分のニーズを満たすために、2台も3台も端末を持たなければいけないのは本末転倒だという話があり、カスタマーからの要望が以前からあったことも認識したうえで、Moto G4 Plusを発売しました。

 ちなみに、Moto G4 Plusは、Nougat(Android 7.0)のアップデートで、VoLTEをサポートすることも検討しています。KDDI回線を使ったSIMカードのサポートもできるようにしていきます。

―― VoLTE対応はユーザーにとってもうれしいですね。Moto G4 Plusは、どのくらい売れたのでしょうか。

アダモポーロス氏 台数は言えませんが、8週、9週とランキングでナンバー1(価格.comの人気ランキング)を取ることができました。これは、当然の結果だと思っています。バリュープロダクトを、お得だと思える価格で出せた。それをユーザーに評価していただけた、ある意味当然の帰結です。

―― 日本市場で、シェアをどのくらいまで広げていきたいのでしょうか。目標をお聞かせください。

アダモポーロス氏 近い将来、グローバルでナンバー3になることを目指しているのが、Lenovoの戦略です。日本のマーケットにおいては、ポジションをもっと高めたい。何より、カスタマーにベストバリューなエクスペリエンスを提供したいと考えています。ですから、今、何位、何台という数字は申し上げられません。ブランドを再構築して、1年、1年半ぐらいかけ、MVNO、SIMフリー、大手キャリアへと進み、プレゼンスを高めていく戦略を持っています。

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