―― 次に、Moto Z、Moto Z Playに関して教えてください。反響はいかがでしたか。
アダモポーロス氏 マーケットの反響は、極めてよかったですね。「Moto Mods」(Moto Zシリーズに取り付けられる、機能拡張モジュール)を非常によく理解し、受け入れていただけました。ただ、最近はうれしい悲鳴で、需要が高すぎ、供給が追い付かない状況です。これは日本のマーケットに限らず、グローバル全体で見られる傾向です。Modsに関しては、マーケットの食いつきが非常によかった。私どもにとっても、ある意味で驚きでした。
Modsについては、マーケットによって要望が異なります。例えば、北米や欧州では、バッテリー(Incipio offGRID Power Pack)を購入する人が80%です。
―― それは高いですね。もともと大容量バッテリーを搭載しているMoto Z Playだと、相当な駆動時間になるのでは。
アダモポーロス氏 もともとバッテリー寿命は45時間と長いのですが、これ(Moto Modsのバッテリー)を付けると、約70時間になります。スマートフォンで約3日間電池が持つというのは、考えられないかもしれないですね。
マーケットによって異なっているという点では、インドやオーストラリアはスピーカーが人気で、バッテリーより売れ行きがいい。そして日本は――。やはりカメラ(Hasselblad True Zoom Camera)です。世界の中で、最もカメラを購入するパーセンテージが高い。
これによって、マーケットごとに、Modsの人気が大きく違うということがあらためて分かりました。Modsの持つ魅力を再認識しました。これは、逆にスマートフォンメーカーが抱える課題も浮き彫りにしています。それは、1つのモデルで、全ての人のリクエストを満たすのは不可能だということです。お客さまによっては、バッテリーが重要だという人もいれば、カメラの画質が何よりも気になる人もいる。それを1つのモデルで満たすのは不可能だと分かりました。
Modsプログラムは継続して拡大していきます。間もなく3つの新しいModsを発表する予定です。クリスマスの前にするか、クリスマスにぶつけるかは検討中ですが、今後、数週間で出すことは確かで、今後も出し続けていきます。また、日本も含め、パートナーの裾野は拡大していきたいですね。そのために、「Moto Mods Developer Kit」も用意しています。
アダモポーロス氏 ユニークな、日本ならではのコンセプトも議論しています。1つのアイデアですが、FeliCaをアタッチできたり、フルセグのテレビだったり、放射線の線量が検出できるようなModsもあるかもしれません。これらを端末に埋め込むのはかなり複雑ですが、Modsであれば、それを悩むことなくでき、シンプルに開発できます。数年前にソフトバンクが放射線を測定できる端末を出しましたが、それを付けると端末代が上がってしまい、結果としてあまり売れませんでした。こういうものも、Modsにはうってつけだと考えています。
―― FeliCaはいいですね。SIMフリー端末には、まだおサイフケータイ対応の機種が少ないですし。
アダモポーロス氏 それが、まさにModsの魅力です。研究開発を専業としている企業でなくても、アイデアがあれば商品を開発できる。Modsコミュニティーの中でも、いろいろな人をつなげることができます。こういう製品を作りたいが実装テクノロジーを持っていない企業もあれば、ハードウェア開発は素晴らしい一方でニーズが分からない企業もあります。そういうところが出会えば、もっと素晴らしいModsが生まれるのではないでしょうか。
―― Modsは高いものだと3万円を超えてしまいますが、ユーザーとしては継続性が気になるところです。
アダモポーロス氏 Modsのプラットフォームは、下位、上位に互換性を持たせています。2017年に出る端末も互換性を持ちますし、プレミアムからメインストリームまで、サポートの幅も広がっていきます。
―― ローカライズに役立つということですが、逆に、日本生まれのModsを世界に展開することも可能でしょうか。
アダモポーロス氏 今はまだ取り組みを始めたばかりで、日本のニーズを満たすことを考えていますが、そういうことにもオープンです。
―― 例えば、Motorolaはブラジルでのシェアが高かったと思います。一国だけではペイしないかもしれませんが、そういった国に流通させられれば、Modsの開発に参入しやすいのではないでしょうか。
アダモポーロス氏 ブラジルでは20%のシェアを超えていて、インドやブラジルではシェア2位を取っています。フルセグなら、ブラジルでも使えますからね。オープンスタンダードな製品はそういうことができるので、チャンスは生かしていただきたいですし、私どももフルにサポートしていきたいと考えています。
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