GATHERING TABLE PANTRYの場所に「馬喰町」を選んだのは、泉氏によると、新しい取り組みをするR&D店舗という性質上、都心から少し離れた場所の方が好都合だったためだそうだ。馬喰町といえば問屋街のイメージだが、最近はマンションも増えており、休日は家族連れで訪れる人も多いそうだ。ホテルもあるので外国人の客層も見られるそうだ。
客層が増えるほど心配になるのが、現金しか持っていない人が入店してしまうというトラブルだが、この点の対策も万全だ。GATHERING TABLE PANTRYに入ろうとすると、「キャッシュレスチャレンジのご案内」と書かれた看板が目にとまる。ここに「×現金」と書かれているので、現金を使えないことが分かる。
看板を見ずに入店することもあり得るので、店員が出迎えるときに、現金が使えない旨を説明する。さらに、注文を取るときにも念押しするので、合計3回は伝える形に。これだけ念入りに説明しているので、「今のところ大きなトラブルは起きていない」(泉氏)という。「ニュースになった当初、ネット上では賛否両論ありましたが、実際に来ている人は、既にキャッシュレスの生活をしている人が多く、それほど抵抗はなさそうでした」(同氏)
一方で、QRコードを使った支払い(LINE Payや楽天ペイ)や、ビットコインでも支払いたいという要望も挙がっているそうだ。決済手段を増やすことは前向きに検討しているとのこと。
店員にとってもユーザーにとってもメリットの大きい「完全キャッシュレス」。そこから得た知見を生かし、既存のグループ店舗に広がることにも期待したい。
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