主人公と敵スタンドが共演する音楽プレーヤーにも、担当者の並々ならぬ思いが込められている。L-06D JOJOでも、一時停止でDIOの「ザ・ワールド」、巻き戻しで吉良吉影の「バイツァ・ダスト」が発現するなど、時を操る能力(DIOは時を止める、吉良は時を戻す)と連動させる形で、ラスボスたちのスタンドを起用していた。一方JOJO L-02Kでは、ラスボスだけでなく、主人公たちのスタンドも登場する。
ん、主人公って時を操る能力だったっけ? 第3部の空条承太郎はDIOと同じ時を止める能力(スタープラチナ・ザ・ワールド)を持っているので問題なし。一時停止で登場する。では他のスタンドは……?
第4部の東方仗助が操る「クレイジー・ダイヤモンド」は壊れたものを一瞬で元の状態に戻す能力を持っているので、「直す→戻す」という解釈で曲戻しが可能。第5部のジョルノが操るゴールド・エクスペリエンスの進化形「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」では、吹き飛ばされた時間を逆行させる描写があったことから、巻き戻しの操作に割り当てた。第7部のジョニィ・ジョースターが操る「タスク(ACT3)」は無限の回転を引き起こす能力にちなんでリピートの操作が可能。
涙ぐましいのが第6部と第8部だ。6部の空条徐倫のスタンド「ストーン・フリー」は糸を操る能力を持っており、どう考えても時には結びつかない(糸だからといって)。8部の東方定助のスタンド「ソフト&ウェット」はシャボン玉を当てたものから「何か」を奪う能力を持つが、やはり時には関連しない。
開発陣が散々悩んだ結果、ストーン・フリーはFAVORITE機能に割り当てた。徐倫が「プラネット・ウェイブス」との戦いに勝利したときに、ストーン・フリーが作った星印の糸から着想を得たという。このFAVORITEボタンを押すたびに「『ひとりの囚人は壁を見ていた…… 『もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』」という徐倫のせりふを思い出すはずだ。
ソフト&ウェットについては「ミュート」ボタンを搭載。これを押すと「音」が奪われて、ソフト&ウェットが現れる。意図は理解「可」能だが、音楽プレーヤーに必要かは「理解不能」。だから気に入った。
これらラスボスと主人公のスタンドは、同じ操作をしても複数パターンがランダムで現れるので、(1操作に対して1画像だった)L-06D JOJOよりもさらに楽しめる。また、JOJO L-02Kではウィジェットの音楽プレーヤーを操作しても、スタンドが登場するようになった。
このように、1つの機能だけでも、語り出すと止まらなくなるほど見どころであふれているジョジョスマホ。「激しい喜びはいらない…そのかわり、深い絶望もない…植物の心のような人生を…」と思っている人も、3月の発売時には狂喜しているに違いない。
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