スマートフォンの夏商戦、各社ハイエンドモデルのトレンドはデュアルカメラやトリプルカメラの“複眼カメラ”だ。Huaweiがトリプルカメラ搭載モデル「HUAWEI P20 Pro」を投入する他、サムスン電子製「Galaxy S9+」やソニーモバイル製「Xperia XZ2 Premium」、シャープ製「AQUOS R2」、ASUS製「ZenFone 5/5Z」など、数多くの機種がデュアルカメラを搭載する。
ただ、デュアルレンズやトリプルレンズといっても、メーカーや機種ごとに搭載の目的や仕組み、利用できる機能が大きく異なる。そこでこの記事では、各社夏のハイエンドモデルが搭載する複眼カメラの違いを紹介していく。
Huawei製「HUAWEI P20 Pro」は、ドコモから6月下旬に発売されるモデルだ。日本でのP20 Proの販売はドコモからのみになるという。
もともとHuaweiは、高画質な写真を撮影できるよう、デュアルカメラの構成をいち早く採用したメーカーだ。現在ではライカの監修を受けた豊かな階調の高画質撮影や背景ボケを生かした撮影機能も搭載し、海外市場はもちろん国内市場でも注目のメーカーといえる。今回は新たに望遠レンズを加えたことで、高画質化とズーム撮影の両方を実現し、他社との差別化を図っている。
カメラの構成は、35mm判換算27mmの4000万画素カラーセンサー(F1.8)と2000万画素モノクロセンサー(F1.6)に加えて、新たに光学3倍相当のズームが可能な35mm判換算80mmの800万画素カラーセンサー(F2.4)を搭載する。
広角ではカラーセンサーとモノクロセンサーの情報を合成し、最大4000万画素の写真を撮影できる。遠くの被写体は、光学3倍ズーム相当のレンズでズームアップした1000万画素の高品質な写真を撮影可能だ。また、デジタル5倍ズームまではモノクロ2000万画素センサーと望遠レンズの800万画素センサーの情報の組み合わせにより、画質劣化の少ない1000万画素の写真を撮影できる。
この他、ISO102400の超高感度撮影や、夜景撮影時は手持ちのまま手ブレなしにロングシャッター撮影を可能にする機能も搭載した。従来機種で搭載していた、被写体の種類を自動認識するAIシーン認識や一眼レフカメラ風の背景ボケを再現するポートレート撮影、モノクロセンサー撮影なども、機能を強化したうえで搭載している。
「Xperia XZ2 Premium」はドコモ、auから夏頃に発売予定のモデル(auは8月中旬を予定)。ソニーモバイルでは初めて、背面にデュアルカメラを搭載したモデルとなる。
カメラは1920万画素カラーセンサー(F1.6)と1200万画素モノクロセンサー(F1.8)の組み合わせとなっており、両センサーの情報を合成することで超高感度撮影を実現している。静止画はISO51200、動画撮影時はISO12800での撮影が可能だ。
デュアルカメラならではの、一眼レフカメラ風の背景ボケを再現した撮影や、モノクロセンサー撮影は8月以降のアップデートで追加される予定だ。
この他、ソニーのメモリ積層型のセンサー技術を活用した機能として、4K HDRムービー撮影や、フルHDサイズでのスーパースロー撮影(960コマ/秒)といった、他社製品と比べて一歩先行くムービー撮影機能を搭載している。なお、これらの機能はデュアルカメラを利用した機能ではないので、「Xperia XZ2」や「Xperia XZ2 Compact」でも利用可能だ。
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