OPPO Japanが投入する新たなSIMロックフリースマートフォン「R15 Pro」の発売日、価格、販路などの詳細が判明した。発売日は2018年9月下旬を予定しており、価格は6万9880円(税別、以下同)。ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機、Amazon.co.jpなどで販売される。カラーはレッドとパープルの2色。
R15 Proの実機に触れる機会を得たので、その特徴をレポートしたい。
R15 Proは、おサイフケータイ(FeliCa)と防水(IPX7)に対応しているのが大きな特徴。海外メーカーが販売しているSIMロックフリースマホで、おサイフケータイと防水に対応している製品は珍しく、他の海外メーカー製SIMロックフリースマホでは「HTC U12+」が対応しているくらい。おサイフケータイは、R15 Proの発売時にはモバイルSuica、楽天Edy、iD、QUICPay、WAON、マクドナルド、nanacoに対応する。
プロセッサはQualcommのミッドレンジ製品「Snapdragon 660」だが、OPPOと共同開発したものを搭載しているという。具体的には、画像処理を行うISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)に手を加えており、1秒間で20枚の連写や、背面のデュアルカメラで深度を測定する性能を支えている。
その他のスペックは、他のハイエンド機と比べても遜色ない。メインメモリは6GB、内蔵ストレージは128GB、バッテリー容量は3430mAh。OPPO独自の高速充電「VOOCフラッシュチャージ」に対応しており、同社のテストでは、5分間の充電で2時間の通話ができるという。外部接続端子は、最近増えているUSB Type-CではなくMicro USBを採用している。
SIMスロットは2つあり、どちらもVoLTEが使える「DSDV(デュアルSIM、デュアルVoLTE)」に対応する。従来の「DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)」では、片方がLTE、もう片方が3Gの対応だったため、例えばドコモのLTE対応SIMでデータ通信をして、au VoLTE対応SIMで通話の待受をすることができない。DSDVならこれが可能になり、より多くのSIMを組み合わせてデータ通信や通話ができるようになる。
ネットワークはNTTドコモ、au、ソフトバンク(Y!mobile)に対応しており、MVNOの格安SIMをはじめとした、さまざまな通信サービスを利用できる。あらかじめ複数のAPNがプリセットされており、主要なMVNOのSIMなら手動でAPNを設定せず、APNを選択するだけですぐに通信を開始できる。実際にSIMを挿して確認したところ、ドコモやauのMVNO、ドコモ本家の「spモード」、Y!mobileのAPNなどがプリセットされていた。なお、R15 ProのmicroSDスロットとSIMスロットの1つは排他使用のため、2枚のSIMと1枚のmicroSDを同時には使えない。
ディスプレイには6.28型、フルHD+(1080×2280ピクセル)の有機ELを採用。画面のアスペクト比は19:9と縦長なので、SNSやブラウザなどの情報を1画面にたくさん表示できる。ディスプレイ上部には、インカメラを配置するためのノッチ(切り欠き)があるが、このノッチを設定でオフにすることはできない。
左右のベゼルを狭めたことで、幅は75.2mmまで抑えられており、片手でもしっかりと握れると感じた。背面には3D曲面ガラスを採用。ガラスならではの高級感があることに加え、フチがカーブしているので持ちやすい。コーナーもとがっていないので、手に優しい。
背面に搭載した指紋センサーでロックを解除できる他、インカメラを使った顔認証にも対応。指紋センサーは、スリープ時にセンサーを触れるだけで瞬時にロックが解除される。顔認証は、画面を見ただけでロック解除……とはいかないが、本体を持つだけでディスプレイが点灯して、顔認証で瞬時にロック解除される。後は上方向にスワイプだけすればよいのでスムーズだ。
背面には、1600万画素と2000万画素のデュアルカメラを搭載。明るい場所では1600万画素のメインカメラが、暗い場所でポートレートを撮影する際には2000万画素のサブカメラが自動で作動する。前モデルの「R11s」では暗い場所全般でサブカメラが使われていたが、R15 Proではイメージセンサーのサイズが1/2.8型から1/2.6型に向上した他、4つの画素を1つにして画素面積を広げることで暗所での画質が向上し、メインカメラでもキレイに撮れるという。一方、人物を暗所でよりキレイに撮れるよう、今回のサブカメラは“暗所でのポートレート”に特化させた。
AIが120のシーンを認識する機能を新たに導入し、被写体に合わせて最適な画質で撮影してくれる。画面上には、食べ物、ポートレート、植物、犬など16の被写体がアイコンで表示される。ただ、16以外でどんなシーンを認識するかは公表されていない。背景を自然にぼかせる「AIポートレート」も利用できる。
この他、タイムラプス、60fpsのスローモーション、(被写体の顔の周りに効果を加えられる)ステッカ−、パノラマ撮影なども用意した。
インカメラは2000万画素を搭載しており、AIビューティー機能を強化。被写体の顔を捉えるポイントが、R11sの254箇所から296箇所にアップし、顔の認識精度が高まった。美顔効果はR11sの200万から800万までパターンが増加した。HDRにも対応しており、逆光でも白飛びせずに撮影できることが期待される。
ハイエンドスマホに肩を並べるスペックを実現しながら、おサイフケータイと防水にも対応したR15 Proのお値段は約7万円。6万9800円(Huaweiオンラインストア)とほぼ同じ価格の「HUAWEI P20」は、基本性能やカメラ性能は高いが、おサイフと防水(IPX7)には対応していない。HTCの「U12+」はおサイフケータイと防水(IPX8)に対応しているが、価格はR15 Proよりも3万円近く高い9万5000円(HTCオンラインストア)。機能とのバランスを考えると、R15 Proは絶妙な価格であり、1台目の本命スマホとしてじわじわと売れることが期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.