Appleは9月12日(現地時間)、米クパチーノで「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」の3機種を発表した。ここでは、実機の写真とともに、その詳細をチェックしていきたい。
iPhone XSはiPhone Xの後継機に位置付けられるモデルだ。ディスプレイサイズも同じ5.8型で、従来モデルに比べると縦に長く、18:9に近い比率となる。ディスプレイには有機ELが採用されており、背面にはデュアルカメラを搭載する。
このiPhone XSを6.5型へと大型化したのが、iPhone XS Maxだ。従来の“Plus”が付くiPhoneとは異なり、カメラなどに差分はない。ディスプレイサイズや解像度と、部材の大型化に伴う重量以外は同じと考えていいだろう。純粋に、サイズの好みで選べるようになっている。
外観はほぼiPhone Xを踏襲しているが、よくよく見ていくと、本体の上下にアンテナ用のスリットが追加されており、細かな違いもある。通信速度を向上させたり、対応バンドを増やしたりするために、アンテナを強化しなければならなかったのかもしれない。
また、カラーバリエーションにゴールドが追加されているのも、iPhone Xとの違いだ。ゴールドといっても“金ぴか”といったイメージの金ではなく、背面はどちらかといえばベージュに近い色合いで、iPhone 8のゴールドに近い。一方でフレーム部分はステンレススチールが採用され、きらりと輝く仕上げだ。アルミを使っていたiPhone 8、8 Plusとの大きな違いで、全体の印象も異なってくる。
カメラは12メガピクセルで、広角側がF1.8、望遠側がF2.4。表面上の数字だけを見るとiPhone Xと同じに見えてしまうが、センサーを一新しており、ピクセルサイズが1.4μmへと大型化している。さらに、iPhone XS、XS Maxは「スマートHDR」にも対応。同時に複数の写真を撮り、ハイライトや影のディテールを分析して、より広いダイナミックレンジの写真が撮れる。
さらにプロセッサの「A12 Bionic」に含まれるISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)の性能を向上させたことで、顔認識や体認識、背景認識が可能になった。これによって、ポートレートモードで撮影した際にきれいなボケ味を出せる他、撮影後にボケ具合を編集メニューから調整できる。
iPhone XS、XS Maxと後述するiPhone XRは3機種とも、iPhoneシリーズで初となるデュアルSIMに対応しているのも大きなニュースだ。中国以外では、片方は従来と同じnano SIM、もう1つがeSIMとなり、2つのネットワークで同時に待ち受けできる「DSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)」にも対応する。
eSIMにはアップデートで対応する予定で、現時点では通常のnanoSIMしか利用できない。ただし、ハードウェアとしてeSIMのチップは載っているため、設定の端末情報には「PRIMARY SIM」と「SECOND SIM」という項目があり、IMEI(端末製造番号)はそれぞれ異なっていた。現時点で日本のキャリアがeSIM側に対応するのかどうかは未知数だが、2つの電話番号を使い分けたい人にはうれしい機能といえる。
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