揺れる表記――iPhone「XS」? それとも「Xs」? 「囲われたエス」問題、再燃

» 2018年09月13日 19時25分 公開
[井上輝一ITmedia]

 9月13日、モバイル業界が揺れた。新型iPhoneの製品名表記で。

(※表記が揺れる:ある文字表記について、2種類以上の書き方をされることで表記にばらつきが生じること)

 9月13日未明にAppleが発表した、新型iPhone 3機種。その名は「iPhone テン・エス、テン・エス・マックス、XR(テン・アール)」なのだが、この「テン・エス」が「XS」なのか、「Xs」なのかで業界関係者の多くが混乱した。

「囲われたエス」は大文字? 小文字?

 Apple Japan広報に13日午後3時ごろに確認したところ、「大文字(XS)で間違いない」との答えを得たため、以後「XS」と表記するが、なぜ情報が錯綜(さくそう)したのか。経緯を追っていこう。

 まず、イベント中にスライドに映された「iPhone XS」の「S」表記は、「iPhone 4s」や「iPhone 5s」と同じく、角が丸い四角形で囲ったものだった。ともに映された「iPhone XR」の「R」も同じく四角形で囲われていた。

XSXR iPhone XSの表記とXRの表記

 四角の中に大文字の「R」がある様子を見れば、「S」についても大文字と考えるのが自然だ(後述するが歴史を知っているとまた別)。しかし、発表終了直後に同社公式サイトに掲載されたプレスリリースのタイトルは、「iPhone史上で最高かつ最大のディスプレイを搭載したiPhone XsとiPhone Xs Max」だった。リリース内の表記も「Xs」。

Appleのプレスリリース(日本語版)
リリース内の表記も「Xs」

 プレスリリースの掲載とともに、公式サイトには製品情報ページも登場。こちらの表記は一貫して「XS」。プレスリリースと製品情報ページ、どちらが正しいのか――。ITmedia MobileやNEWS編集部で速報を書いていた記者たちは、錯綜する製品名に混乱した。

公式サイトの製品名は一貫して「XS」

 現地で取材をしていたライターの石野純也氏も、広報から「Xsです」と連絡を受けた後に再度「XSが正しい」と連絡を受けたとTwitterで報告するなど、広報レベルでも混乱していた様子が見受けられる。

 広報ですら混乱した理由を察するに、そもそもAppleが「四角で囲われたエス」を大文字から小文字に改めたという歴史がある。

 初めて「四角で囲われたエス」をiPhoneの製品名に採用したのは、2009年に発売した「iPhone 3GS」だった。この時は表記の通り大文字。次にこれを採用したのが、2011年に発売した「iPhone 4S」。発売当時は大文字としていたのだが、2013年に発表した「iPhone 5s」(小文字、やはり四角に囲われている)に合わせ、iPhone 4Sも「4s」と改められた。この変更がユーザーへ十分に周知されず、「4S」なのか「4s」なのか混乱した時期があった。以降、「四角で囲われたエス」は全て小文字での表記が続いていた。

初めて「四角で囲われたエス」を製品名に採用した「iPhone 3GS」
「S」から「s」に改められた「iPhone 4s」

 この流れをくみ、「Xs」と書くだろうと考えてしまっても不思議ではない。出版やメディア業界によくある失敗として、「大きな見出しほど間違いがないと思い込んでしまい、ミスに気付かない」というあるあるネタがある。Appleも、今回このパターンに陥ってしまったのかもしれない。

ニュース解説番組「NEWS TV」で記事をピックアップ

ITmedia NEWS編集部がYouTubeでお届けするライブ番組「ITmedia NEWS TV」で、この記事を取り上げています。ぜひ視聴・チャンネル登録をお願いします。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  8. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  9. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー