店舗を変えるモバイル決済

Android搭載、LTE対応のマルチ決済端末「PAYGATE Station」登場 何が便利なのか?カード、FeliCa、QRもOK

» 2018年11月05日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 ロイヤルゲートが、12月7日にモバイル型マルチ決済端末「PAYGATE Station」を発売する。

PAYGATE Station マルチ決済端末「PAYGATE Station」
PAYGATE Station 端末を手にする、ロイヤルゲートの梅村圭司社長

 PAYGATE Stationは磁気、IC、ピンパッド(暗証番号入力)、FeliCa、NFC、QRコード、バーコードといった、さまざまな決済手段に対応。クレジットカードはVISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners5ブランド、VisaとMasterCardのタッチ決済、QRコード/バーコード決済はALIPAY、WeChat Pay、PayPay、Origami Pay、楽天ペイ、LINE Pay、d払い、FeliCa系電子マネーは楽天Edyに対応する。さらに、Ponta、dポイント、楽天ポイントにも対応し、ポイントカードをかざしてポイントをためたり使ったりできる。

PAYGATE Station
PAYGATE Station ブラックとホワイトの2色を用意

 日本ではFeliCaやQRをはじめとしたキャッシュレス決済サービスが乱立しており、決済端末はサービスや規格ごとに異なるケースもある。PAYGATE Stationは多種多様な決済サービスに1台で対応できるため、店舗側には、決済端末の導入コストを抑えられるというメリットがある。中国の巨大決済サービスであるALIPAYとWeChat Payに対応していることで、訪日外国人の決済ニーズにも応えられる。

PAYGATE Station さまざまな決済手段に対応する
PAYGATE Station インターネット経由でのAPI連携に対応。Micro USB、Wi-Fiアドホックモード、Bluetooth経由でのAPI連携も開発中

 対応する決済サービスが増えるほど精算処理が煩雑になりがちだが、大和フィナンシャルのオプションサービス「契約・精算おおまとめサービス(BPOサービス)」を利用すれば、複数サービスの精算業務を一元管理できるようになる。

PAYGATE Station 大和ハウスグループの決済サービスへの取り組み

 2018年6月に施行された改正割賦販売法(クレジットカード利用に関する法律)により、加盟店は2020年3月までに決済端末をIC化させることや、(自社の機器やネットワークでカード番号の保存、処理、通過を不可とする)カード番号の非保持・非通過に対応させること、保持する場合は(カード情報を保護するためのセキュリティ基準である)PCI DSSに準拠することが義務付けられている。PAYGATE StationはPCI DSSに準拠した設計になっているため、セキュリティ対策の負担も軽減できる。

 PAYGATE StationはAndroid OSを採用しているのも特徴で、ロイヤルゲートの梅村圭司社長は「さまざまなPOSや上位システムと連携しやすいこと」「決済種別を簡単に追加できること」をメリットに挙げる。Androidということで、セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性が懸念されるが、PAYGATE StationはトレンドマイクロのIoT機器向けのセキュリティサービスを実装しており、Androidの脆弱性や端末のマルウェアへの対策、不正なサーバへの接続防止対策などを講じている。

PAYGATE Station トレンドマイクロのセキュリティソリューションを導入している

 本体のサイズは84(幅)×184(高さ)×58(奥行き)mm、重量は420g。持ち運べるサイズなので、客からカードを預かってその場を離れる必要がなく、客の面前まで端末を持ち運んで決済ができる。プリンタも搭載しており、その場でレシート(手切り)を出力できる。

PAYGATE Station クレジットカードでタッチ決済をしている様子
PAYGATE Station QRコード決済をしている様子
PAYGATE Station レシートのプリントもできる

 Wi-Fiに加えて3GとLTEのモバイル通信機能も内蔵しているので、店内だけでなく、宅配やイベント、屋台などでの決済にも対応しやすい。本体はSIMロックフリーで、モバイル通信サービスはバンドルされていないが、オプションでドコモやソフトバンクの回線を使った専用プランを用意するとのこと。

PAYGATE Station
PAYGATE Station テーブルや軒先など、場所を選ばずに決済ができる

 本体の価格は「7万円を想定している」(梅村氏)とのことだが、「弊社は端末事業者ではなく、アプリからセキュリティまでワンストップで提供している」(同氏)。こうしたソリューションを利用した場合は約5万円で運用できるという。目標の販売台数は「3年間で10万台ぐらいを出荷したい」と梅村氏。「大手から中心に進めながら、個店へのアプローチを進めていきたい」というのがロードマップだ。

 ロイヤルゲートは大和ハウス工業の子会社で、大和ハウスグループに属する。大和ハウスグループ全体で、キャッシュレス決済にどう向き合っていくのか。大和ハウス工業の上席執行役員、田村哲哉氏は「キャッシュレス事業は新規事業の一環。これまで作ってきた商業施設での決済、賃貸住宅での家賃決済、大和ハウスリフォームの少額決済など、われわれのビジネスに関わるさまざまな決済シーンがある。ロイヤルゲートがグループインしたことで、さまざまな場所で、グループ内の決済手数料を収益化することができるのでは」と話した。

 11月1日に開催した発表会では、パートナー企業のビザ・ワールドワイド・ジャパン、LINE Pay、楽天、NTTドコモ、PayPay、ロイヤリティ マーケティング、GMOフィナンシャルゲート、トレンドマイクロの担当者がゲストとして登壇。PAYGATE Stationの導入により、ユーザーの利便性が向上すること、キャッシュレス化がさらに促進することに期待を寄せた。

PAYGATE Station

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