既報の通り、楽天モバイルネットワーク(RMN)は12月7日、基地局の建設開始に先立って「安全祈願祭」を開催した。
祈願祭の終了後、親会社である楽天の三木谷浩史社長が報道関係者の囲み取材に応じた。この記事では、その模様をお伝えする。
―― いよいよ(基地局の)工事開始ということで、現在の心境と、携帯事業参入によって(携帯電話)業界や社会にどのような変化を与えたいか、改めて聞かせてください。
三木谷社長 現在、政府の方でもさまざまな形で携帯料金を下げようという動きがあると思います(参考記事)。楽天グループとしては、我々の技術力、革新的な新しいプラットフォームを構築することで、携帯電話業界に価格だけではなくて、技術的にも新風を吹き込みたいと思っています。
その上でも、技術はもちろんですが“アンテナ”がないと携帯電話はつながりませんから、しっかり安全に建てていくというオペレーションを(これから)進めていくことになります。
これから新しいステージに入ることになりますが、頑張っていきたいと思います。
―― (消費者としては)「つながりやすさ」や「価格」が気になる所だと思うのですが、どのようなプランをお考えでしょうか。
三木谷社長 すでに発表されていることではありますが、auさん(KDDI・沖縄セルラー電話)とのローミング合意がありますので、我々の基地局とお借りするauネットワークと合わせて、(サービス開始当初から)基本的に他社と同様に全国でつながります。我々のネットワークにつながる所については、他社と同等かそれ以上のネットワークスピード(通信速度)を実現できるのではないかと思っています。
価格については、弊社の戦略上、秘密にしておきたいので、コメントは差し控えさせてください。
―― NTTドコモの値下げ(宣言)は脅威になりますか。
三木谷社長 他社の動向も含めて、コメントは差し控えたいと思います。
―― 昨日(12月6日)、ソフトバンクが大規模な通信障害を起こしました。
三木谷社長 携帯電話はライフラインになってきています。
我々は、従来のネットワーク構造とは異なり、非常に安定したネットワークを自動的に提供できるようにしています。冗長構成についても、今までの携帯電話ネットワークよりも安全なものになると信じています。
一層、気持ちを引き締めて、安定性を追究していきたいと思っています。
―― 設備投資額が少ないと(いまだに)指摘されていますが。
三木谷社長 (額は)全く関係ないと思います。旧来型のネットワークとは異なり、たくさんの(代替)サーバを自動で立てる「フェイルオーバー」と呼ばれる仕組みを取り入れています。
クラウド上のITシステムが安定しているのと同様に、楽天モバイルは次元の違う安定性を提供できるものと考えています。
―― 昨日のソフトバンクの障害は、ネットワークベンダーの問題に起因すると言われています。このような問題は御社でも起こりうると思うのですが、どうお考えですか。
三木谷社長 ソフトバンクさんのことは他社のことで、新聞情報(報道ベースの話)でしか把握していないので、何ともいえない。
繰り返しですが、我々のネットワークは「集中型」というよりも「分散型」ですので、より(障害が発生する)リスクは低いと考えています。
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