コラム
» 2018年12月31日 11時50分 公開

2018年のスマホカメラトレンド:AIと夜景でした (1/2)

2018年のスマホカメラを振り返ってみると、やはり「AI(人工知能)」と「夜景」だったと思うんですよ。

[荻窪圭,ITmedia]

 ちょうど1年前、「いっそ、超広角・広角・標準・望遠のクアッドカメラ搭載スマホでも出てきたら面白いなと思っているのだが」と書いたんだけれど、やりましたな、Huawei(ファーウェイ)。「HUAWEI Mate 20 Pro」。

 クアッド(4つ)ではないけれど、「超広角・広角・望遠」のトリプルカメラ。あれはなかなか面白かったですな。

Mate 20 Pro Huaweiは「HUAWEI Mate 20 Pro」で「超広角・広角・望遠」のトリプルカメラを搭載

 さて2018年のスマホカメラのトレンドはというと、たぶん誰もが「AI(人工知能)と夜景」の2つをあげるに違いない。

AI

 Huaweiの「マスターAI」が目立ってるけど、各社ともAIを使った「シーン自動認識」を取り入れていて、カメラを構えると「青空」とか「自動車」とか「人物」とか表示されるのってなかなか楽しいのである。

犬を検出! 犬!
後ろ姿でもちゃんと人と認識! 後ろ姿でも人!

 ただ、カメラがシーンを自動的に認識して設定が切り替わる「シーン自動認識」自体は古くからある技術で、13年前には登場していた(当時は5〜7つのシーンから自動的に選んでくれるだけだったが)もの。名前は各社いろいろでソニーだと「プレミアムおまかせオート」、パナソニックだと「おまかせiA」。iAってのはたぶん「インテリジェントオート」の略で、AIとは関係ない。一時期は「うちは自動認識のシーンが○○個だ」「いやうちはもっと多くて△△個だ」なんて競争があったくらい。

 今どきは、シーン判別にAIを使っている、あるいはディープラーニング(深層学習)して得たデータを使ってるというのが新しい。だから、AIを謳うなら、かつての「シーン自動認識」を超えたことをしてほしい。

 認識できるシーンや被写体の種類も100とか1000とかどんどん増やして、「こんなのも認識してくれた」と思わせて欲しいし、構図にいる被写体は1つじゃないので「青空」だけじゃなくて「青空+緑+人物+建物」とか、「芝生+人物+犬」とか、「海+船」とか「河川敷+自転車」とか……そこに映り込んでいる被写体やシーンを全部ピックアップして、それぞれに対して最適な画像処理をして、背景も人も見目麗しく撮れるくらいは行っていただきたいと思う次第。

 LG Electronicsの「V30+」「JOJO L-02K」のAIカメラは、見つけたいろんな要素を画面に表示してくれた。あれは面白いので、最終的にひとつに絞る必要はない。

 せっかく電子水準器を持ってるんだから水平の自動補正も積極的にしちゃっていいと思うし、1回のシャッターで撮れる写真が1枚じゃなきゃいけない、って法はないので、AIが判断して作った最適な絵と、その次候補(あるいはあまりいじらない撮影者が撮ったそのままに近い感じ)と2枚保存してあとから好きな方使えるって手もあり。

 シャープの「AQUOS R2」なんかは、斜めに写っていると判断すると斜めになっていると元画像と、それを補正したお勧め画像の2つを保存してくれる。こういうことはもっとやっていいと思う。

AQUOSのカメラ AQUOS R2では斜めに写っていると判断した写真は「おすすめ画像」として補正した写真も同時損してくれる

 AIが撮影者の意図をくんで、撮影者が望んだと思われる絵を作ってOKなのがスマホカメラのいいところなんだけれど、それをやりすぎると最大公約数的な絵作りばかりになっちゃうので、それを避けるには複数枚記録して選べるようにするっていい手だと思うのだよな。

 これが5枚6枚になるとあとで選ぶのがめんどくさくなるのでイヤだけれど……。

夜景

 もう1つ、2018年話題になったのが「夜景」。

 もともとHuaweiが「HUAWEI P20 Pro」で「4秒掛けて撮るすげー夜景機能」を搭載し、追い打ちをかけるようにGoogleの「Pixel 3」「Pixel 3 XL」が11月に「夜景モード」を追加し、実は「iPhone XS」「iPhone XS Max」も夜景のクオリティがすごく上がっている。

 これらに共通するのは「複数枚連写して合成している」こと。HDR(高ダイナミックレンジ)夜景といってもいい。

 夜景が難しい理由は2つあって、1つは「暗い」から。暗い場所で適正な明るさの写真を作ろうとすると、少ない光を増幅しなきゃいけなくて、その分ノイズが増えて画質が落ちるし、手ブレもしやすくなる。それは手ブレ補正機構を駆使したり、複数枚撮って合成することでノイズを減らすという技がある。

 もう1つは「明暗差がすごくデカい」から。街の灯りやイルミネーションは直接発光してるのですごく明るい。でもそこ以外は夜なので暗い。明暗差が大きいのできれいに撮るのは難しいのだ。

 そこでHDRの出番。明るさを変えながら何枚も撮り、明るいところと暗いところを上手に合成することで、明るくて鮮やかな夜景になる。

Pixel 3 XL Pixel 3 XLの夜景モード

 iPhone XSは「スマートHDR」によって結果として夜景のクオリティが上がってるし、Huaweiは4秒とか7秒とか掛けてセッティングを変えながら撮影することで明るい所から暗いところまでしっかりおさえたキレイな夜景を撮ってくれる(ただし、やりすぎて不自然になることもある)。Pixel 3 XLはその辺のバランスが絶妙だった。

やりすぎの例 Mate 20 Proで取った夜景。ちょっとやりすぎた感のある例だ

 スマホカメラはあらゆるシーンで使われるので、暗所でもしっかり撮れるってのは大事なのである。

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