ソニーは2月1日、2018年度第3四半期の連結決算を発表した。
セグメント別に見てみると、「Xperia」スマートフォン事業を含む「モバイル・コミュニケーション」領域は、同期単独の業績、第1四半期からの累計業績ともに前年比で減収減益。通期の業績見通しでも売上高を2018年10月時点の予想から下方修正(営業損失の予想は据え置き)するなど、好調な他領域とは裏腹に苦戦が続いている。
苦戦の続くXperia。ソニーはどうするつもりなのだろうか。報道関係者向けの決算説明会の質疑応答のうち、モバイル・コミュニケーション領域に関するやりとりを抜粋して見てみよう。応答者は、同社のCFO(最高財務責任者)で、ソニーモバイルコミュニケーションズ(モバイル・コミュニケーション領域の事業会社)の社長も務めていた十時裕樹専務。
―― モバイル・コミュニケーション領域について、昨年度(2017年度)に引き続き厳しい状況にあると思います。赤字を出しても事業を継続する方針に変わりはないのでしょうか。事業再構築の状況と合わせて、考えを改めて聞かせてください。
十時専務 現在の赤字は、10月時点でお話したものからかけ離れてたものではありません(筆者注:10月時点の予想から売上高は下方修正したものの、営業損失は据え置いている)。
先ほどの説明でも申し上げた通り、構造改革は順調に進んでいます。2020年度に損益を均衡させると同時に、同年度までに2017年度比で50%の費用削減するという方針に変更はありません。
(現時点では)これらの改革は計画通りに進んでいるとご理解いただければと思います。
―― 昨今、日本市場でもミドルレンジスマートフォンの売れ行きが良くなってきています。
第4四半期、あるいは2019年度以降に、日本を含めた世界市場において(中核となるモデルを)「ハイエンド」から「ミドルレンジ」に変えるなど、販売戦略の変更はお考えでしょうか。
十時専務 販売戦略について詳しくお話することは現時点では難しいところです。
2月に(スペイン・バルセロナ)で「MWC Barcelona 2019」が開催されますが、そこで現在の(ソニーモバイルコミュニケーションズの)経営チームから新しい商品の発表や、販売戦略についての説明があると思うので、そこに期待していただければ、と思います。
日本市場についてですが、ミドルレンジ端末の売れ行き(が伸びていること)も含めて、市場が変化していることは認識しています。それを踏まえて、どうしていくかお話していくことになるかと思います。
2月25日(中央ヨーロッパ時間)から始まるMWC Barcelona 2019において、Xperiaの新製品と共に今後の方針が語られるという。
日本におけるXperiaは、ごく一部の例外を除いて「ハイエンド一辺倒」を貫いてきた。一方、日本以外の市場では、ハイエンドモデルと並行してミドルレンジモデルも多数投入してきた。
記者からの質問にもあった通り、端末価格の高騰もあり、ここ2〜3年は日本でもミドルレンジスマホの売れ行きが好調。ソニー自身もそれは分かっている。
MWC Barcelona 2019で発表されるXperiaの“新製品”は、今まで通りのハイエンドモデル中心なのか。それとも、日本を含む世界市場の変化に合わせてミドルレンジモデルを充実させるのか。
約3週間後、“答え”は明らかとなる。
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