この他のスペックも見ていこう。メインプロセッサには最新のミドルクラスのチップSnapdragon 670を採用、メモリは4GBだ。総合ベンチマークのAntutuでは15万点台と、ミドルクラスとしてはかなり高性能なスコアを記録した。
なお、Snapdragon 670新しい10nmプロセスで製造されており、2世代ほど前のハイエンドに匹敵する性能や仕様ともに、ミドルハイのSnapdragon 710と似通ったプロセッサだ。
実際に使っていても、一般的なアプリ操作の快適さは、ハイエンドのスマホとあまり違いはない。Pixel 3aとハイエンドのPixel 3のAntutuベンチマーク結果を比べても、一般的なアプリの動作に影響するCPUやUXの値については、GPUと違ってそこまで極端な差はないことが分かる。
ハイエンドとの差が出るのは、高画質な3Dグラフィックのゲームアプリを動かす場合だ。Snapdragon 670だとHD解像度なら快適に遊べるが、フルHD解像度だとコマ落ちが気になる。とはいえ、最高画質を気にしなければ十分な性能といっていいだろう。
むしろ気になるのは64GBというストレージ容量だ。Pixel 3aは外部メモリスロットを搭載していないため、microSDメモリカードで増設することもできない。多くのゲームアプリをインストールする、映画や動画をダウンロードして持ち歩く人だと容量が少ないと感じるかもしれない。
写真や動画をGoogle フォトでバックアップするという手もあるが、Pixel 3aはPixel 3と違って一般のスマホと同じく高品質ながらも再圧縮がかかる点は注意しよう(Pixel 3は、2022年1月31日まで「元の画質」でGoogle フォトに写真や動画を無料で無制限に保存できる)。
充電端子はUSB Type-Cで、ミドルクラスとしては珍しくUSB PD(最大18W)の急速充電に対応する。最大18WのUSB PD対応ACアダプターも付属する。本体のバッテリー容量は3000mAhだ。充電時間を計測したところ、0%から1時間で75%まで充電でき、1時間45分ほどで100%に達した。
SIMスロットは1つで、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線に対応している。auはPixel 3aを販売していないが、IOT(接続性検証)を実施しており利用に問題はない。対応バンドも国内3キャリアの回線利用で特に気になる部分はない。
実際、ドコモ回線のMVNOやUQ mobile、Y!mobileのSIMを入れてみたが、いずれのSIMでも通話とデータ通信を利用できた。
Pixel 3aは一見目立った機能はないものの、高画質カメラに高性能なミドルクラスのプロセッサ、動画を楽しみやすい画面や音楽仕様、おサイフケータイ、発売から3年間のOS更新と、5万円前後のSIMロックフリースマホとしては盛りだくさんのモデルとなっている。防水には対応しないが、それでも価格を考えるとかなりコスパは高い。
現在、5万円前後のおサイフケータイやFeliCa対応ミドルクラスは空白地帯だ。ライバルを探しても、やや古い「iPhone 7」や「AQUOS sense plus」ぐらいしかない。スマホ代は抑えたいが、必要十分な機能を備え、長く使えるスマホが欲しい人にとって、Pixel 3aは有力な選択肢に入る。
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