カメラは1220万画素の高感度センサーと光学式手ブレ補正に対応。基本的な仕様はハイエンドのPixel 3と同じで、違いは、外光の色温度などをより正確に計測できる「スペクトルセンサー」と、照明のちらつきの影響をより正確に防げる「フリッカーセンサー」が省かれていること。インカメラはPixel 3が広角と標準のデュアルレンズだったのに対し、ほぼ中間の画角の800万画素レンズのみになっている。
実際の撮影でも、程よく明るく鮮やかに撮影でき、暗い室内の撮影にも強い。標準のHDR+設定もあって少々明暗差のあるシーンでも適度に撮影できる。Pixel 3と画質の違いはほぼないが、スペクトルセンサーの有無によるものか、ホワイトバランスはPixel 3の方がやや実際のシーンに近く安定していた。被写体の全体の色に極端な偏りがあるシーンでは、積極的にホワイトバランスを設定した方がいいだろう。
専用の夜景モードでは、手持ちの長時間露光でノイズが少なく鮮やかな色の夜景を撮影できる。
ただ、Pixel 3aのカメラには不満点もある。背景ぼかしのポートレート撮影や美肌補正が、撮影時のプレビュー画面に反映されない。これでは撮影が不便なだけでなく、撮影中のテンションも削がれてしまう。また、Pixel 3aのポートレート撮影はPixel 3と比べて画角が狭いという違いもある。こちらはそこまで不便ではないが、やや気になるところだ。
また、ポートレート撮影や夜景モード撮影を利用した場合、撮影後にバックグラウンドで処理されているようで、撮った写真をすぐに表示できない。
撮影後に写真の再生が可能になるまでの処理時間をPixel 3と比較してみたところ、以下のような結果となった。夜景モード撮影後の処理時間もほぼ同じ速度だった。処理速度はPixel Visual Coreを搭載し、CPUの性能も高いPixel 3の方が若干速い。だが、そもそも両モデルとも撮影後の処理によって再生を待たされること自体が不便だ。
Pixel 3aのカメラはミドルクラスとしては高画質・高感度で、夜景撮影はスマホでもトップレベルの品質といっていい。時々写真撮影を楽しむには満足できる品質だ。だが、日常的に凝った撮影を楽しむ人に撮っては不便な点も多い。高品質だが、撮影にこだわり出すと、よりカメラ機能に注力したスマホが欲しくなる。
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