ソフトバンク宮内社長が株主総会で語った戦略 “通信障害での発言”を追及する声も(2/2 ページ)

» 2019年06月25日 12時22分 公開
[田中聡ITmedia]
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「通信障害で1万件の解約」発言は不用意?

 2018年12月に起きた、通信障害の対処法を問う声も出た。質問者の株主は、Y!mobileのモバイルWi-Fiルーターを仕事で使っており、通信障害が起きたことでパニックになったという。また、5Gの世界で自動運転のような重要な場面でモバイル通信が止まったときにどう対応するのか、とも指摘した。

ソフトバンク株主総会 宮川潤一副社長兼CTO

 これについては、宮川潤一副社長兼CTOが回答。「通信障害は既に完璧な対処をしているが、これから5Gが普及していろいろなものがつながると、我が社のネットワークだけで産業が支えきれるのか? というのはおっしゃる通り。これは通信の1つの弱点」と認めつつも、「こういうケースに備え、2つのキャリアに対応したサービスを提供するという議論も始めている」という。また、孫正義会長は「自動運転は基本的な設計として、圏外でも走らないといけない。車自体にインテリジェンスがあるので、自ら判断して運転ができるという設計になる」と補足した。

 通信障害に関連して、ある株主は、株式上場後に通信障害の影響で1万件の解約があったことを宮内氏が明かしたことについて批判した。「株式上場をしたのは、通信障害を起こした直後だった。記者会見で、宮内さんが1万件の解約があったとおっしゃった結果、株価が一気に下がった。株式上場前おっしゃっていれば、私は買わなかった。記者会見は、株価を左右する大事な場なのに、なぜ不用意な発言をなさるのか。できれば辞任していただきたいくらい。反省の弁をしっかり述べてください!」と株主は強く迫った。

 これに対して宮内氏は「あの段階(通信障害が起きた直後)で、マスコミの方々は、(解約数が)10万〜30万というピッチでわれわれに迫っていた。大変大きな障害を起こしてしまったので、深くおわびをすると同時に、まったくウソは言わず、きちんと対応したつもりではある。全く影響がないと答えてよかったかというと、自信がない。ただおっしゃる通り、公的な立場もあるので、不用意な発言には注意したいと思う」と回答。難しい対応だったことをうかがわせた。

 株価が公開価格の1500円を一度も上回ったことがないことを追及する声もあり、宮内氏は「株価をお約束することは難しいが、成長することについては自信を持っている。長い目で見ると、営業利益を上げ、純利益を上げ、キャッシュフローを増やしていくことで、株価が上がる。来期から、役員賞与の半分は株価にする」と答えた。

スマホを見てうつむいている社会はあり?

ソフトバンク株主総会 孫正義会長

 株主総会には孫氏も出席していたこともあり、孫氏を指名した質問も多かった。中でも印象的だったのが「『情報革命で人々を幸せに』と再三聞いているが、電車では、90%以上の人がスマホを見てうつむいている。街を歩いても、スマホを見ながら歩いて、全く人の動きを気にしない人が多い。こういう現象に対して、どうするのか」という質問。

 これに対して孫氏は「若い人たちは、スマホの向こう側にいる友人や家族とつながっている、情報を見て何かを考えているのではと思う。必ずしも悪い側面だけではない。一方、歩きスマホは危険であり、自転車に乗りながらスマホを見ているという違法行為もある。ごみを外に捨てないのと同じように、新しい時代のマナーを伝えることが大切」と述べた。また将来的には「メガネの向こう側に空間が見えたり、テレパシーで想像したことが頭の中に伝わったりする世界が来るかもしれない」と期待を寄せた。

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