キャリアの脅威になる? IIJmioの「eSIM」が業界に与えるインパクト:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2019年07月06日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

“ベータ”が取れた正式版のeSIMサービスにも期待が高まる

 ただし、現状ではSIMロック解除の認知度はまだまだ低く、iPhoneのeSIMも半ば“隠れ機能”といえるほどで、自分の端末がeSIMに対応していると知らないユーザーも多いだろう。仮にeSIMの機能を知っていたとしても、テレビCMなどで大々的に訴求を図るわけではないため、IIJmioの新サービスが知れ渡るまでには時間もかかる。情報感度の高い、いわゆるリテラシーの高いユーザーから、徐々に浸透していくことになりそうだ。

 また、料金プランも当初はライトスタートプランのみで、ドコモ回線を借りたDプランや、au回線を借りたAプランのような、データ容量の選択肢もない。ベータ版という位置付けのため、データ容量のシェアにも対応していない。仕様を限定しているのは、ベータ版として「早くお届けするため」(亀井氏)だったという。亀井氏は「最終的には、ご利用環境を考えると、IIJmioの3GB、6GB、12GBに組み込まれることになると思う」と語っていたが、ユーザーの選択肢が広がるだけに、プランの拡充は急務といえる。

eSIM 他の回線を使ったサービスは、現状、3つから料金を選べる

 iPhoneのeSIMは設定からQRコードを読み込むだけでなく、アプリ経由で設定することも可能だ。実際、海外の一部キャリアは、App StoreにeSIM契約用のアプリを用意している。ワンストップで、契約からeSIMのプロビジョニングまでできるのが、アプリをリリースするメリットといえるだろう。こうしたアプリも「ぜひやりたいと思っている」(亀井氏)と意欲的だ。

eSIM 海外ではアプリを用意しているキャリアも多い。画面は米T-Mobileのもの

 その先には、eSIMならではのユースケースも考えられる。例えば、普段MNOを使っているユーザーが、容量の足りなくなったときだけ、IIJmioで“ギガを買う”という使い方もありそうだ。今の料金体系では初期費用がかかり、「休止しても値段が下がることにはならない」(亀井氏)ため現実的ではないが、プリペイドのような形で気軽に使えるのも、eSIMの長所を生かしたサービスといえる。IIJではSIMカードとして展開している訪日外国人向けサービスも、eSIMであれば、より簡易な形で提供できる。

eSIM eSIMであれば、より簡易的なプリペイドSIMの発行もできる

 先に述べた通り、eSIM対応スマートフォンは、現状ほぼiPhone一択だが、これは国内にサービスがなかったためでもある。IIJがサービスの提供を開始したことで、端末を投入するメーカーも出てくるだろう。海外を見ると、メジャーなところでは、Googleの「Pixel 3/3 XL」や「Pixel 3a/3a XL」などがeSIMに対応しているが、国内版ではこの仕様がカットされてしまっている。IIJのサービス開始を契機に、端末のバリエーションが広がることにも期待したい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月29日 更新
  1. 20万円超のXperiaを「買い」に変えた3週間 ソニーが「モニタープログラム」を実施した理由 (2026年09月26日)
  2. 「SuicaでJR東海エリアをまたげない」問題、ついに解消か JR東海社長「勉強している」【訂正】 (2026年09月27日)
  3. なぜドコモはahamoの大幅値上げを避けたのか? 段階制で安くなるケースと「アップセル戦略」の狙い (2026年09月26日)
  4. ドコモ値上げの背景は? 副社長が語るahamoの競争力と、「楽天モバイル意識」の本音 (2026年09月25日)
  5. ソフトバンクとLINEヤフーが「Yahoo!スマホ買取」を始めた理由 スマホ高騰時代に目指す「中古の循環」 (2026年09月28日)
  6. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  7. 高額な「iPhone Duo」を横目にどう選ぶ? Androidフォルダブルスマホをお得に買う方法【2026年9月版】 (2026年09月27日)
  8. “iPhone 18難民”の買い替え先は? 最新「iPhone 18 Pro」と型落ち「17/17e/16」から最適解を考える (2026年09月25日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. パナの電動アシスト自転車、スマホ連携が可能に バッテリーの盗難防止や残量通知など 12月発売 (2026年09月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー