音質については、このサイズのスピーカーとしては、十分なクオリティーだと感じた。見た目は何の変哲もないスピーカーという印象だが、中には多くの技術が盛り込まれている。7つのビームフォーミングツイーターは、それぞれがアンプを備えており、下部から外に向かって360度方向に音楽を流すことで、テーブルなどに音が反射することがなく、部屋のどこにいても、同じような音楽体験が可能なるという。
さらに、HomePodは空間認識機能も備えており、どこに置いても部屋全体に音が広がるよう調整してくれる。HomePodを置いて部屋の中を歩き回ってみたが、確かに離れた場所にいても、同じようにサウンドが聞こえた。ボーカルの声は非常にクリアで、演奏の音も重低音が効いていて迫力が感じられた。今回はオフィスで動作確認をしつつ、自宅では普段使いを意識して音楽鑑賞したが、自宅は集合住宅でリビングの広さは約11.6畳なので、音量は50%ほどで十分なくらい。もう少し広い環境で試したいと思ったほどだった。
逆に、音声の聞き取りはどうか。HomePodには6つのマイクを配置しており、ノイズキャンセリング機能と合わせ、大きな声を出さなくてもユーザーの声を聞き取れるという。HomePodを置いたリビングから離れた場所で話しかけたり、HomePodの目の前でドライヤーを最大出力にしながら話しかけたりしても、Siriはしっかり反応してくれた。ちなみにiPhoneとHomePodの両方が同じ場所にある場合、iPhoneは反応せず、HomePodのみが反応する。
2台のHomePodを用意すれば、ステレオ再生することもできる。iPhoneが2台目のHomePodを検知すると、自動で設定画面が現れ、「ステレオのペアとして使用」をタップして少し待てば、ステレオペアは完了する。ステレオペアは、ホームアプリから設定することもできる。2つのスピーカーを同じ部屋に置くときは、設定する部屋も同じにしておきたい。例えばどちらも「リビングルーム」に設定して、「Hey Siri, リビングルームで音楽を再生して」と言えば、2つのHomePodで同じ曲が再生される。
リビングとベッドルームなど、異なる部屋に1台ずつHomePodを置くという使い方もあるだろう。その場合、各HomePodに設定する「部屋」を一方はリビング、もう一方はベッドルームなど異なるものにすればよい。その後、「Hey Siri, リビングで音楽を流して」と言うとリビングで、「Hey Siri, ベッドルームで音楽を流して」と言えばベッドルームでのみ音楽が流れる。「Hey Siri, リビングとベッドルームで音楽を流して」と言って2台のHomePodで同じ曲を流すことも可能だ。
さらに、リビングで再生している曲をベッドルームでも聴きたい場合、「この曲をベッドルームに送って」と言えば、同じ曲がベッドルームでも再生される。こうした複数のHomePodを制御する技術は、映像や音楽のデータを外部機器にストリーミングする「Air Play2」で実現している。複数の部屋でHomePodを使いたい人には重宝する機能だ。
Appleのスマートスピーカー「HomePod」、日本で今夏発売 3万2800円
Appleのスマートスピーカー「HomePod」、米国で2月9日発売
据え置きだけではもったいない! 「Home」をモバイルして離島へGO!
スマートスピーカーの認知度は31.2% Google Homeが最も有名
「Google Home」を使うメリットを整理するCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.