分離プラン時代にiPhoneは売れなくなるのか(2/2 ページ)

» 2019年09月05日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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旧モデルは10月前の値下げで延命?

 では10月1日以降、本当にiPhoneは売れなくなるのだろうか。

 まずは9月に発売されるであろう新モデルだが、さすがに2018年のように、最上位モデルでも20万円近い値付けにはならないと考える。ドコモは、2019年夏モデルの価格について「調達価格に対して適正な粗利は乗せているが、分離プランになるので、粗利の部分は努力した」(販売部長の高本寛氏)結果、ハイエンドモデルでも10万円前後に価格を抑えている。こうした努力は当然、iPhoneにも向けられるはずで、2018年のiPhoneよりは価格は抑えられそうだ。

 “主力商品”のiPhone 8については、値下げをすることで、実質的な負担額を2018年〜2019年と同様にする可能性もある。Appleが新型iPhoneを発表するタイミングで、旧モデルを値下げするのは恒例だが、10月1日以前であれば、ルール上は割引額に制限はない。

 ちなみに10月1日以降、旧モデルに対しても、2万円以内なら値下げが可能。価格を改定する際、どのタイミングになるのかで値下げ幅は変わってくる。

 比較的新しいiPhoneで期待したいのが、iPhone XRの値下げだ。GfKランキングではiPhone 8に次いでiPhone XRが売れているだけに、XRの値下げ幅次第では、いよいよ8を抜き去ることも考えられる。iPhone XRは、ホームボタンを搭載しないiPhoneの中では比較的安いモデルであり、カラーバリエーションも多いことから、次世代の普及期といっても差し支えない。

量販店でSIMフリーiPhoneが売られる可能性も

 もう1つ注視したいのが、Appleの動きだ。ここ最近、ビックカメラヨドバシカメラなどの量販店で、iPadのセルラーモデルの取り扱いがスタートしている。「これはSIMフリーiPhoneが量販店でも売られる前触れなのか?」とみる向きも多く、業界の流れを考えれば、大いにあり得る。現在、iPhoneのSIMロックフリーモデル(新品)は、基本的にAppleのオンラインストアかApple Storeでしか購入できない。

iPhone 量販店でのiPadセルラーモデルの取り扱いが解禁に。写真は11型iPad Pro(左)と12.9型iPad Pro(右)

 もし量販店などに販路が拡大すれば、より多くのユーザーが購入しやすくなる。Appleの直販価格の方がキャリアよりも安い、なんてことになれば、Appleが扱うiPhoneを購入し、SIMだけを差し替えて“機種変更”することもできる。もちろん、MVNO(格安SIM)ユーザーにとっても、iPhoneの販路が広がることは歓迎すべきことだ。

 量販店は自社のポイントが付く上に、最近はコード決済を中心に高還元率のキャンペーンも実施している。PayPayの100億円キャンペーンでiPadが売れた例が顕著だが、こうした施策との相乗効果でiPhoneが売れる可能性が高い。「キャリアで買うiPhoneが高いのなら、SIMフリーでもいい」と考えるのは当然のことで、2019年はキャリア以外が扱うiPhoneが増えるかもしれない。


 Appleは、改正電気通信事業法の省令に関するパブリックコメントで、総務省の新たな施策を「競争の抑制につながる」「差別的な対応だ」として総務省を批判しており、危機感を募らせていることがうかがえる。

 10月以降、iPhoneの売れ行きのカギを握るのは「価格」と「販路」にあると考える。キャリアとAppleの施策を注視したい。

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