ハード、ソフト、AIの三位一体で攻める「Pixel 4」 “我が道を行く”ゆえの課題も石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2019年10月19日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

アンビエントコンピューティングの概念を取り入れ、自然な使い勝手を実現

 織井氏が「アンビエントコンピューティング(※)なくして、3つ(ハードウェア、ソフトウェア、AI)を融合させることはできない」と語ったように、Pixel 4、4 XLは、ユーザーが自然に使えるような工夫も盛り込まれた。「これらをつなぐ架け橋となるのが、Googleアシスタント」だ。発売時点では未対応だが、2モデルに合わせ、Googleアシスタントもアップデートされる予定。デザインがより、ユーザーインタフェースに溶け込んだ形になるのと同時に、端末のパフォーマンスを生かし、クラウドを使わず処理できる動作も増えるという。

※アンビエントコンピューティング……人が意識することなくコンピュータが使えること。「アンビエント」は「周囲の」を意味する。

Pixel 4 アンビエントコンピューティングで、ハードウェア、ソフトウェア、AIを統合していくという
Pixel 4 Googleアシスタントを刷新し、より使い勝手を高めていく

 確かに、アプリのアイコンがホーム画面にズラリと並び、ユーザーがそれを選んで操作するのは、織井氏が「スマートフォンが中心でその周りに皆さんがいる」と表現したように、決して自然な流れとはいえない。手に取って端末を握り、やりたいことや知りたいことを人に向かって話すのと同じようにスマートフォンを使えた方が、「自然な形で情報を届けることができる」(同)といえる。

 電波法の整備が済んでおらず、提供が2020年春になってしまったモーションセンスも、アンビエントコンピューティングを実現するための要素の1つといえる。この機能がオンになると、Pixel 4、4 XLはユーザーの手が近づいたことを認識。先回りして顔認証を起動させておき、より素早く画面のロックを解除できるようになる。音楽再生やアラーム、通話などの各種操作にも利用可能で、端末を手に取れないときでも、自然な形で操作できる。

Pixel 4
Pixel 4 モーションセンスは、顔認証をよりスムーズにするために利用される

 応用例がまだまだ少なく、主体的にスマートフォンを操作する場面で頻繁に利用するか? というと疑問符もつく。実際、同様のジェスチャー操作は過去、さまざまなスマートフォンが実験的に取り入れてきたが、精度がいまひとつだったことも災いして、本格的には普及していない。Googleのモーションセンスも、どこまで正確に思った通りの操作ができるのかは未知数だ。

 一方で、Googleは音声だけでなく、空間の手の動きを検知して、ユーザー中心の操作体系を作り上げようとしていることをモーションセンスで明確化した。ハードウェアという器を作ったのは、ここにさまざまな機能を投入していく準備にも見える。

 Pixel 4、4 XLに限った話ではないが、デザインにもこうしたGoogleのコンセプトは反映されている。目指したのは「手に取ることができるGoogleサービス」だ。結果として、「human(人)」「optimistic(楽観的)」「daring(大胆)」という3つのキーワードを導き出し、ハードウェアの数々はこの思想の下でデザインされた。

 Pixel 4、4 XLも、「人間味があって楽観的で、かつ大胆というコンセプトに基づいて設計した」(インダストリアルデザイン ディレクター マックス・ヨシモト氏)という。柔らかな曲線を用いていたり、ガラスを使いながらもサラサラとしたマットな仕上げにしたりといったところは、人間を中心に据えたアンビエントコンピューティングの思想ともマッチする。

Pixel 4 PixelをはじめとするGoogleのハードウェアは、共通のコンセプトに基づき、デザインされている。アンビエントコンピューティングとの親和性も高い

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月08日 更新
  1. 「納品できない」──ギガファイル便で障害 運営元「ドメイン変えます」と暫定措置 (2026年07月06日)
  2. UQ mobile「コミコミプランバリュー」にクレカ割を導入したワケ 背景にahamoとY!mobileの“板挟み”も (2026年07月04日)
  3. mineoのオプテージが「携帯電話番号」の割り当てを受ける 「音声フルMVNO実現」に向けて大きな一歩 (2026年07月06日)
  4. 「撮り鉄」動画SNSで物議 駅員が「下がって」と制止も、スマホでの撮影に夢中 (2026年07月07日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. アメックスが「プラチナ・カード」を刷新、10万円航空券クーポンや高級ホテル特典など ただし“年間500万円”の壁も (2026年07月06日)
  7. 【ワークマン】499円の「デイリーアンカーサコッシュ」 “見せる収納”もできるメッシュポケット付き (2026年07月07日)
  8. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【7月5日最新版】 最大1万ポイント還元や新幹線35%オフなど (2026年07月05日)
  9. ソフトバンクが「SoftBank Free Style」でオープン市場に挑む理由 キャリアモデルの“登竜門”になるか? (2026年07月07日)
  10. アップルがMacBook、iPadなどをついに値上げ――値上げを見送ったiPhoneのXデーはいつなのか (2026年07月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー