中国メーカーはインカメラを隠すためにポップアップ式のインカメラを搭載する製品を数多く出していますが、Huaweiもその市場に参入すべく発売したモデルが「P Smart Z」です。アウトカメラよりもインカメラに力を入れた、セルフィー向けモデルともいえます。
6.59型のディスプレイは上下方向のベゼルも薄く、インカメラを内蔵したためノッチのないすっきりとしたデザイン。大きい画面を有効利用できます。アスペクト比も19.5:9とワイドなため動画やゲーム利用にも向いています。プロセッサはミドルレンジ向けのHiSilicon製Kirin 710F、メモリ4GB、ストレージ64GBという構成です。
背面を見るとカメラは1600万画素と被写界深度測定用の200万画素の2つを搭載しています。なお兄弟機として「Y9 Prime(2019)」の名前で販売されているモデルは、これに800万画素のウルトラワイドカメラが加わったトリプルカメラ仕様。同じベースでカメラを変えたモデルを出して製品バリエーションを増やしています。このあたりは世界シェア2位の強みで、市場に応じてハードウェアを変更したモデルも展開しているわけです。
カメラを起動してインカメラに切り替えると内蔵カメラが一瞬でせり上がってきます。このギミックはもはや珍しいものではなく当たり前のものになりつつありますが、動きのあるスマートフォンは使っていて楽しく、何度も出し入れを繰り返してしまいます。なおこのインカメラを動かすモーターや機構は日本メーカーが仕上げているようです。
インカメラは1600万画素。なお顔認証には対応しないので、このカメラは自撮りをするときのみに利用されます。生体認証は本体背面の指紋認証センサーのみを利用します。
インカメラでは美顔加工が利用できますが、「P」という名前の付いたモデルであることからか、フラグシップの「P20」「P30」などが搭載している3Dポートレートライティング機能も利用可能、顔の部分にライトを当てたポートレート写真が撮影できます。
ノッチをなくす動きは各メーカーが進めていますが、ポップアップ式のインカメラは多くのメーカーが採用するほどメジャーなものになっています。Huaweiも上位モデルの「P30」や「Mate 30」シリーズにはまだノッチが残っていますが、下位モデルが次々とノッチを廃止していることから、次のモデルあたりからは何かしらの工夫でノッチのないディスプレイを搭載してくるかもしれません。まずはミドルレンジモデルで消費者の反応をうかがい、上位モデルへの展開を考えているのだと思われます。
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