日本通信は11月15日、電気通信事業法に基づく総務大臣裁定を申請したことを明らかにした。卸電気通信役務を巡るNTTドコモとの交渉が不調に終わったことを受けた措置で、同社としては約12年ぶりの裁定申請となる。
日本通信によると、NTTドコモとは2014年4月から5年以上にわたって音声通話サービスの卸契約について協議を続けてきたという。しかし、それが不調に終わったため、電気通信事業法第39条と同法第35条第3項に基づいて裁定を申請することになったという。
今回、同社が裁定を求めた事項は以下の通り(リリース文の通り記載)。
・裁定事項1 音声通話サービスを能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を基本とする料金で、ドコモは当社に対して卸電気通信役務として提供すること
・裁定事項2 裁定事項1で求める事項を具現化した卸電気通信役務の一つとして、ドコモが現在「かけ放題オプション」及び「5分通話無料オプション」の名称で利用者に提供している音声通話料の定額サービスを、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を基本とする料金でドコモは当社に提供すること
簡単にまとめると、ドコモに対して音声通話サービスを適正な価格で卸提供することと、ドコモが自社ユーザーに提供している音声通話(準)定額サービスと同等のものを卸提供することを求めている。
日本通信は過去にも数回、MVNO(仮想移動体通信事業者)の運営に関わる事項について総務大臣(総務省)に申し立てを行ったことがある。中でも、2007年に要求した総務大臣裁定では、MVNOの運営において有益な事項が盛り込まれ、MVNOが増加するきっかけとなったとされている。
同社が今回申し立てた内容は、他のMVNOも総務省の有識者会議などで要望している。総務大臣がどのような裁定を下すのか、注目したい。
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