最後に気になるバッテリー持ちについて触れておきたい。
Appleの公式サイトの表記では、Apple Watchのバッテリー稼働時間はシリーズを問わず「18時間」に統一されている。常時表示に対応したApple Watch Series 5でも、従来モデルと同様に18時間となっている。
しかし、ただし書きで「使い方によって変動する」とあるように、これらの数字は一様ではない。アプリを使わなければより長く利用できるし、ワークアウトを行えば短くなる。
Apple Watchのモバイル通信を使わず、「インフォグラフ」のウォッチフェースで常時表示はオンにしたまま、アラーム、時刻や通知の確認、バックグラウンドで動くと思われる睡眠計測アプリなど、一部を除きアプリを意図的に使わないように努めたところ、Series 5は満充電状態から大体30〜32時間ほど利用できた。「丸1日とちょっと」というのが現実的なバッテリー稼働時間というところだ。
近い条件でSeries 4を使った場合は35時間前後稼働したので、上記Series 5よりもやや長持ちした。もちろん使用条件によって変動するので、一概には断言できないものの、Series 5で常時表示をオンにすると、バッテリーの減りは少しだけ早くなるのかもしれない。
とはいえ、30時間を超えて稼働できることから、普段使いにおいて支障が出るレベルではない。バッテリー持ちをそこまで気にする必要はないだろう。
旅行や出張などでバッテリー持ちを優先したい場合には、常時表示をオフにすることもできる。設定から「画面表示の明るさ」に入り、「常にオン」をタップしてスイッチをオフにすればよい。
同様に「シアターモード」をオンにしている間も、画面の常時表示をオフにできる。映画館や劇場、寝室などでは、同設定を駆使することをオススメしたい。ただし、うっかりボタンを押してしまうと、シアターモードでも画面が点灯してしまう。こうした場合には、手のひらで画面を覆うとで素早く画面をオフにできる。必要な“作法”として覚えておきたい。
「常時表示でないと困る」と感じるメリットは正直限定的だ。しかし、併売されているSeries 3と比べると、Series 5はディスプレイの見た目も大きく異なるし、サポート期間の長い新製品を選ぶメリットもある。
長期的な視点で考えれば、常時表示に対応しているSeries 5を選択した方が、デバイスとしてもファッションアイテムとしても、満足度は高くなるのではなかろうか。筆者としては「もし悩んだらSeries 5を選ぼう」と勧めたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.