Googleはいかにして有害アプリを排除しているのか Google Playの最新動向

» 2019年12月06日 17時41分 公開
[田中聡ITmedia]

 Googleが12月6日、アプリストア「Google Play」の2019年における取り組みを説明した。同日は、その年で特に大きな支持を集めたコンテンツを選定する「Google Play ベスト オブ 2019」でアプリとゲームを発表する日。2019年のGoogle Playにとって節目になる1日だ。

 Google Play UX プロダクトマネジメント ヴァイス プレジデントのティアン・リム(Tian Lim)氏は、「今年は大成功に終わった。Google Playは成長を続けており、全世界で1160億回ダウンロードされた」と振り返る。

Google Play Google Playの取り組みについて説明する、ティアン・リム(Tian Lim)氏
Google Play 2019年はGoogle Playから1160億回、アプリとゲームがダウンロードされた

 一方でユーザーに安心してAndroidアプリを利用してもらうには、有害なアプリをいかに排除するかが重要だ。

 Googleでは毎日、500億を超えるアプリをスキャンして、悪質な挙動がないかをチェックしている。Androidアプリには、Google Playで配信されているものと、その他ネット上や独自のマーケットで配信されているものがあるが、Google Playがインストールされた端末なら、Google Play以外で入手したアプリもスキャンできる。

 2018年、Google Playからインストールしたアプリで潜在的に有害なものはわずか0.08%だった一方で、Google Play以外からインストールしたアプリで、同じく潜在的に有害なものは8倍に増える。Google Play以外で配信されている危険なアプリは、16億回にわたってインストールを防いできたという。

Google Play 2018年は、Google Play外で配信された有害とおぼしきアプリのダウンロードを16億回防いだ

 2019年には不正アプリの検出能力を高め、「なりすましや悪質なコンテンツの多くを、アプリが公開される前に検出した」とリム氏。不正返金や不正ギフトカードの対策を行う専用チームも設けているそうだ。

 不正アプリを検出する要素の1つとして、リム氏はSDK(ソフトウェア開発キット)を挙げる。同氏によると、SDKはユーザーが持つ電話番号をリスト化し、個人情報を流出させる場合もあるという。実際にGoogleが対抗措置を取ったところ、20万のアプリが、悪意のあるSDKを統合していたという。「SDKの振る舞いを監視し続けることは重要。開発者はどのSDKを取り込むのか、慎重に考える必要がある」とリム氏は呼び掛ける。

 2019年は、アプリ側で個人情報を取り扱う際のポリシーを強化した。SMSと通話履歴は、アプリが必要なときのみ権限を要求できるようにした。これらの情報を必要としないアプリは、権限の要求ができなくなる。その結果、SMSや通話履歴にアクセスできるアプリは98%減り、「アプリの安全性が高まった」とリム氏。

Google Play ポリシーの変更により、SMSと通話履歴にアクセスできるアプリは98%減った

 また子ども向けのアプリやゲームに対しては、より適切に広告表示や個人情報管理ができるようポリシーを変更した。開発者には、対象とするユーザー層の情報を追加してもらうようにし、年齢に合ったコンテンツを使ってもらうことを推奨している。これにより、子ども向けではないアプリやゲームが、意図せずに子どもたちの目にとまる確率が減った。

 Google Playのポリシーが変更された場合、開発者は通知を受けてから30日〜60日以内に従う必要がある。違反した場合はまず警告し、それでも改善が見られない場合、アプリを停止することもある。

 配信前アプリの審査も強化している。「毎日、何千という新しい開発者のアカウントが作成されるが、削除されたにもかかわらず、攻撃者が悪意あるアプリを再公開しようとしているケースが多い。それらが配信される前に、その兆候を捉えて検証している」とリム氏は話す。

 アプリの審査は機械と人間が行っており、「日によっては約3万件の申請を人間が審査している」(リム氏)という。

Google Play 機械と人間がアカウントとアプリの審査を行っている

 2018年、Googleが有害なアカウントと判断して申請を却下した件数は55%、申請されたアプリを停止した件数は56%増加したという(いずれも2017年との比較)。「検出能力の強化に投資を続けており、セキュリティエンジニアの数も増やしている」とリム氏。こうした投資が功を奏し、有害アプリの排除率が年々向上しているそうだ。

 「悪意のある人は進化している」とリム氏が話すように、新たな脅威に対して、臨機応変にポリシーを運用する姿勢が求められる。ユーザーの安全を守るGoogleの取り組みは、今後も続いていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 「楽天モバイルWiFiスポット」を試してみた 屋内通信の不満解消へ期待も「接続性」に課題 (2026年07月26日)
  2. 夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も (2026年07月27日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 折りたたみスマホ「OPPO Find N6」を3カ月使って実感した“真価” 仕事とプライベートで大活躍 (2026年07月26日)
  5. 日本通信、ドコモの音声網相互接続で設備工事や接続試験が完了 「ネオキャリア」に前進 (2026年07月27日)
  6. 気温35度以上のハンディファンは「逆効果」 猛暑を安全に乗り切る使い方と2026年おすすめ5選 (2026年07月27日)
  7. UQ mobileとY!mobileの「セット割なし」新割引を比較 ahamo、LINEMO、楽天モバイルよりもお得? (2026年07月27日)
  8. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  9. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  10. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー