Huaweiの秋冬向けフラグシップモデル「Mate 30」「Mate 30 Pro」は中国で好調な売れ行きを示しています。中国では以前から提供されているHMS(Huawei Mobile Services)のみが搭載されていますが、中国で販売されているAndroidスマートフォンは他社も含めてGoogleのモバイルサービス(GMS:Google Mobile Services)が搭載されていないため、日常的な利用には困らないのが実情です。
しかし中国以外の国ではGMSがなければ不便なのが事実。HuaweiはHMSへの海外アプリの参加を呼び掛けており、HMSのアプリを強化することでMate 30シリーズのグローバル展開を図っています。
筆者の居住する香港でもMate 30、Mate 30 Proが発売されました。香港で販売されている端末は他の国同様にGMS搭載が標準であり、GoogleはもちろんFacebookやWhatsAppなど海外のSNSサービスが日常的に使われています。早速家電量販店で実機を見たところ、見慣れたGoogle系アプリのアイコンはありません。
カメラ性能はもちろんいいので、量販店でも実機を触って写真撮影を試す来客の姿もありました。またHuawei香港はMate 30シリーズの購入者にDJIのジンバルの無料進呈や2年間の延長保証など手厚いケアも提供しています。カメラフォンとして買うのなら、かなりお買い得な状況にもなっているのです。
しかしGoogle系アプリが搭載されていないのはやはり使い勝手をスポイルしてしまいます。標準のブラウザではGoogleも開きますし、Googleマップも使えました。また日本語のWebサイトの表示もできます。ブラウザベースならGoogleサービスも使えますが、アプリに慣れた人だと使いにくいのはいうまでもありません。
Huaweiのプロモーターの方がいたので話を聞くと、「現在は」という前置きをしてアプリはHuawei独自のAppGalleryからダウンロードしたものしか使えないとのこと。また日常利用で必須の地図アプリは中国系の地図アプリがダウンロードでき、香港の地図もカバーしているとのことです。とはいえ、主要SNSもブラウザでしか利用できません。カメラ性能がいい端末だけに、何とかならないものだろうかと考えてしまいます。
本体スペック、デザイン、そしてカメラとハードウェアに関しては現在販売されているスマートフォンの中で最高点をつけられるほど完成度の高いMate 30シリーズ。HuaweiのカスタマイズUI「EMUI」も使い勝手が高く、GMSに対応すれば敵なしといえる製品に仕上がるだけに、現在の状況は残念としかいいようがありません。今後の展開は不透明ですが、いい方向へ解決されることを願いたいものです。
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