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» 2020年01月10日 18時00分 公開

5分で知るモバイルデータ通信活用術:2019年のベストルーターは「Speed Wi-Fi HOME L02」 ただし回線は…… (1/2)

数は少ないですが、2019年もいろいろとモバイルルーターが発売されました。筆者的にはUQコミュニケーションズやauが発売した「Speed Wi-Fi HOME L02」がベストな機種だと考えるのですが、回線はというと……。

[島田純,ITmedia]

 「メリークロッシィ!」の合言葉でNTTドコモがLTE通信サービス「Xi(クロッシィ)」の提供を開始してから9年が経過しました。

 現在、ドコモを含む大手キャリア3社のLTE(4G)による高速通信ネットワークは日本全国へと広がり、新幹線などで高速移動している最中でもスピーディーかつ快適なモバイルデータ通信を利用できるようになっています。

 都市部のラッシュ時間帯に発生しがちな地下鉄での通信速度低下や、MVNOサービスにおける平日ランチタイムの通信速度低下など、局所的な困難はまだ残っているようにも思いますが、移動中のデータ通信について、速度面やエリア面で困ることは極めて少なくなりました。

9年前のセレモニー 約9年前(2010年)の12月24日に行われた、Xiサービス開始のセレモニーの様子。「メリークロッシィ!」のかけ声が懐かしい

 一方で、モバイル通信を「固定回線(光ファイバーやCATVなど)の代わりに使えるか?」と聞かれると、自宅などに据え置いて使うタイプのルーターが登場し、大容量のデータプランが登場したこともあり、「解決すべき大きな課題はまだあるが、ほぼ大丈夫な状況まで来た」といえるでしょう。

 今回は、2019年に買って良かったベストルーターと、ドコモの大容量モバイル回線の活用方法をご紹介します。

ベストルーターは「Speed Wi-Fi HOME L02」

 2019年に買って良かったベストルーターは、UQコミュニケーションズのファーウェイ製据え置きルーター「Speed Wi-Fi HOME L02」(※1)です。L02の発売日は2018年12月ですが、筆者が入手したのは2019年に入ってから。中古ショップで、いわゆる「白ロム」として本体のみを購入しました。

(※1)編集者注:厳密にいうと、UQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」対応機器の発売元は「KDDIと沖縄セルラー電話」、つまりauです。編集者は「なんでauが発売元なんだろう……?」とずっと不思議に思っています

 通常であれば、L02はUQコミュニケーションズ(と、auを含むMVNO)の「WiMAX 2+」通信サービスで使う前提の機種です。しかし、この機種は発売当初からSIMロックフリーとなっており、好きなキャリアのSIMカードを入れて利用できます。

 そこで筆者はドコモの「シェアパック50」を契約しているSIMカードを入れ、旅行や出張中に固定回線の代用として運用しています。

Speed Wi-Fi HOME L02 中古ショップで購入した「Speed Wi-Fi HOME L02」。旅先の固定回線代わりに役立っている

 なお、L02の先代に相当する「Speed Wi-Fi HOME L01」や、NECプラットフォームズ製の「Speed Wi-Fi HOME 01」もSIMロックフリー仕様です。ただし、HOME 01についてはAPN設定においてユーザーIDの入力が必須となっているため、ユーザーIDが“ない”ドコモ純正のネット接続サービス(「spモード」や「mopera U」など)は仕様上利用できません。

なぜわざわざ「ドコモ回線」なのか?

 L02は、WiMAX 2+通信サービスで使うことが前提のルーターです。「それをわざわざドコモ回線で使うのはなぜ?」と思う人もいるでしょう。

 筆者がなぜ、ドコモ回線でL02を使うのか。そこには、WiMAX 2+通信サービスが抱える“解決すべき大きな課題”が関わっているのです。

 この連載で以前からお伝えしている通り、WiMAX 2+通信サービスには「直近3日間当たり10GB」のデータ通信量制限が設けられています。これを超過した場合、その翌日の午後6時から翌々日の午前2時まで、通信速度がおおむね上下最大1Mbpsに制限されてしまいます。

 固定回線代わりにWiMAX 2+通信サービスを使うとなると、動画や音楽をストリーミングで視聴したり、そこそこ容量の多い静止画や動画をやりとりしたり……と、データ通信量は増えがちです。そのため、通信制限に引っかかることも多くなってしまいます。

10GBの目安 UQコミュニケーションズでは、YouTubeを5分見た場合のデータ量で目安を示してはいるものの、固定回線と同じ感覚で使うと、これでは済まない可能性がある

 WiMAX 2+と比べるとエリアが広い上、通信速度も出やすいことも、ドコモ回線で使う理由の1つです。WiMAX 2+でも「ハイスピードプラスエリアモード」を使えば、au 4G LTEネットワークを併用することで、より広くより高速な通信は可能です。しかし、一部の例外を除いてオプション料(月額税別1005円、利用月のみ課金)がかかる上、月間7GBまで(※2)というより厳しい通信容量制限が掛かります。

(※2)auの「ホームルータープラン」を「固定代替サービス」として契約すると月間30GBまで緩和されます(参考記事

 元々、旅行中や出張中に発生する通信量はそれほど大きくなかったのですが、旅先で子どもに動画を見せるべく、Amazonの「Fire TV」を活用し始めたことで非常に通信量が増えました。端的にいえば、WiMAX 2+通信サービスでは高頻度で速度制限を掛けられる使い方になってしまったのです。

子どもに動画を見せる図 子どものために整えた、Fire TV経由で動画を見られる環境。天候不順で外出が難しい時、あるいは手が空かないシーンで非常に助かるが、通信量にはやさしくない
容量超過 子どものための環境整備をした結果、モバイル回線を固定回線代わりに使うと「3日間10GB」を余裕で超えるようになってしまった

 もともと、UQコミュニケーションズが発売するホームルーターは、モバイル向けの製品と比べてWAN(モバイルネットワーク)側の電波受信感度が良く、Wi-Fi(無線LAN)側も電波が飛びやすい設計となっています。屋内に特化するなら、下手にモバイルルーターを買うよりも使い勝手で勝ります。

 そこで、日単位の通信容量制限がないドコモ純正回線と、SIMロックフリーで屋内で快適に使えるL02を組み合わせようと考えたのです。

 とはいえ、当たり前ですが、L02はWiMAX 2+(とau 4G LTE)ネットワークに最適化された仕様。ドコモ回線で使った場合の通信速度に不安もありました。

 しかし、使用する環境によってはドコモのネットワークに最適化されているはずのドコモの機種よりも通信が高速なこともあります。ドコモ回線で使っても、期待以上に快適に使えます。

 モバイルルーターと比べてWi-Fiの電波が届きやすいというメリットと相まって、モバイル環境でも自宅の固定回線に近い快適さを得られるようになりました。

スマホ単体 屋内でドコモスマートフォン+ドコモ回線でスピードテストした結果
ルーター経由 窓際に設置したL02とドコモ回線の組み合わせでスピードテスト
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