世界を変える5G

SIMはそのまま使える? 4Gに戻したいときは?――「5G」の契約で気になることを聞いてみた

» 2020年03月27日 17時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 NTTドコモ、au(KDDIと沖縄セルラー電話)、そしてソフトバンクが5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスを開始しました。

 各キャリア共に、5G通信サービスは4G(LTE)通信サービスとは“別立て”で、4G通信サービスから移行する場合は「契約変更」と呼ばれる手続きが必要です。「契約変更にはいくら掛かるのか?」「今使っているSIMカードはどうなるのか?」「5Gサービスに不満がある場合に4G契約に戻せるのか?」……疑問は尽きないと思います。

 そこで、5Gサービスへの移行手続きにまつわる“気になること”を、各キャリアの広報担当に聞いてみました。(記事中の料金や手数料は全て税別です。やりとりは、一部体裁を整えた上で掲載しています)

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契約や料金プランについて

―― 新規契約、機種変更や契約変更(3G/4Gサービスからの変更)にまつわる事務手数料はいくらでしょうか。

ドコモ MNP(番号ポータビリティー)を含む新規契約と契約変更は3000円、機種変更は2000円です。なお、ドコモオンラインショップで端末購入と同時に手続きをする場合は手数料を無料としていますが、お客さまの契約状況によってはオンラインショップにおいて手続きできない場合もあります(参考リンク)。

KDDI MNPを含む新規契約と契約変更は3000円、機種変更は2000円です。

ソフトバンク いずれの場合も3000円です。

―― 5G契約を4G契約や3G契約に戻すことはできますか。戻す上で制約事項もあれば教えてください。

ドコモ 5G契約をXi(LTE)契約に戻すことは可能です。その際に事務手数料がかかります。ただし、Xi用のプランのうち、受け付けを終了したものには戻せません。また、5G端末ではXi契約とひも付いたSIMカードを使えないため、端末もXi対応のものに戻す必要があります。

KDDI 4G LTE契約には戻せます。その際に事務手数料がかかります。新規受け付けを終了をしているので、3Gには戻せません。5G端末では4G LTE契約のSIMカードは使えませんので気を付けてください。

ソフトバンク 3Gや4G LTE契約に戻す場合は、機種変更(契約変更)の手続きが必要です。その際に事務手数料がかかります。

端末の単品購入について

―― 5G端末を契約なし(単品)で購入できますか。できる場合はどこで買えますか。

ドコモ ドコモショップ、量販店、オンラインショップでご購入いただけます。ただし、オンラインショップで購入する場合は、「スマホおかえしプログラム」への加入をお願いしています。

KDDI オンラインショップを除くau取扱店でお求めいただけます。

ソフトバンク オンラインショップを除くソフトバンク取扱店で購入できます。弊社の5Gサービスを利用する場合は「5G基本料」への加入が必要です。

5Gスマートフォン ドコモオンラインショップでは、端末を購入する際に「新規契約」「36回払い」を選択すると、端末単品で購入するためのリンクが表示される。リンク先の注意事項を読んだ上で同意すると、単品購入手続きへと進める

SIM(UIM/USIM)カードについて

―― 契約変更の場合、手持ちのSIM(UIM/USIM)カードはそのまま使えますか。

ドコモ ご使用中のSIMカードが、バージョン4以降の「ドコモnanoUIMカード」であれば、交換せずに5Gサービス用のSIMカードとして継続利用できます。(筆者注:バージョン4は「赤色」、バージョン5は「桃色」、最新のバージョン6は「青色」をしている)

KDDI 5G契約への変更に伴い交換が必要です。(筆者注:用いるUIMカード自体は、従来の3G非対応4G LTE契約と同じ「au Nano IC Card 04 LE」である)

ソフトバンク 3G契約からの変更の場合は交換が必要です。4G LTE契約からの変更の場合は、手持ちのUSIMカードをそのまま使えます。(筆者注:現時点では、4G LTEサービスと同様に機種によって用いるUSIMカードが異なるため、同一のUSIMカードを用いることが前提となる)(参考リンクその1その2

SIMカード ドコモの場合、バージョン4以上の「ドコモnanoUIMカード」を使っているユーザーは契約変更後も同じSIMカードを使い続けられる。ただし、契約変更に伴いサポートする端末が変わるので注意が必要だ(写真はバージョン6)
ソフトバンク ソフトバンクのみ、機種ごとに対応するSIMカードが異なる状況が続いている。「NFC nano USIMカード」を使っているなら「AQUOS R5G」、「nano USIMカード」を使っているなら「ZTE Axon 10 Pro 5G」に機種変更すれば、そのままのSIMカードを利用できる

―― 5G契約のSIMカードを3G端末や4G端末で使うことはできますか。

ドコモ 原則として動作確認などをしていないため、弊社では一切の動作を保証しかねます。利用できる場合でも、通信速度が低下したり、通話や通信ができなくなったり、端末の挙動がおかしくなったりすることがあります。利用される場合は、お客さまの責任においてご利用ください。(筆者注:ドコモのWebサイトには5G契約におけるXi端末の動作可否情報は掲載されているが、動作を保証する目的ではない)

KDDI ご利用いただけません。

ソフトバンク 3G端末ではご利用いただけませんが、4G LTE端末ではそのまま使えます。

―― 逆に、3G/4G契約のSIMカードを5G端末で使うことはできますか。

ドコモ 原則として動作確認などをしていないため、弊社では一切の動作を保証しかねます。利用できる場合でも、通信速度が低下したり、通話や通信ができなくなったり、端末の挙動がおかしくなったりすることがあります。利用される場合は、お客さまの責任においてご利用ください。

KDDI ご利用いただけません。

ソフトバンク 3G契約のUSIMカードはご利用いただけません。4G LTE契約のUSIMカードについてはそのまま使うことが可能で、「5G基本料」に加入(契約変更)すると5Gネットワークもつかめるようになります。

―― 5G端末において、国内の3Gエリアで通信できるのでしょうか。

ドコモ Xiエリアも含めると、5GサービスのエリアはFOMA(3G)相当に広がっています。5G端末のお使いのお客さまには、Xiと5Gネットワークを通して快適な(通信)環境を提供してまいります。(筆者注:ドコモの5G端末のうち、詳細スペックが掲載されている端末では「5G契約でご利用の場合、国内3G通信は2020年5月下旬以降ご利用いただけなくなります」という注釈が付いている)

KDDI より高速で使い勝手のよい4G LTEネットワークをご利用いただけるため、(国内での)3G通信はご利用いただけません。なお、au VoLTE対応の4G LTE端末も、(国内での)3G通信には非対応です。

ソフトバンク 現時点では可能ですが、今後については未定です。

5G利用不可 NTTドコモの5G対応端末の一部では、詳細スペックの注釈で5月下旬以降に3G(FOMA)エリアで使えなくなる旨が明記されている(画像は「AQUOS R5G SH-51A」の場合)

他社の5G端末やSIMロックフリー5G端末への対応

―― SIMロックフリーのものを含めて、他社が発売した5G端末を持ち込んでの新規契約や契約変更は可能でしょうか。

ドコモ 5G端末として利用できることが確認できれば可能です。ただし、他社の発売した5G端末については原則として動作確認などをしていないため、弊社では一切の動作を保証しかねます。お客さまの責任においてご利用ください。

KDDI 契約すること自体は可能です。ただし、LTE対応のSIMフリー端末を持ち込まれた場合と同様に、弊社では自社で販売した端末以外での動作は保証しておりません。

ソフトバンク 可能です。使う端末が5Gに対応していることを自己申告していただければ、5G基本料(5Gプラン)に加入いただけます。



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