料金プランは、三社三様で対応が分かれた。データ容量無制限にかじを切ったのは、ドコモだ。同社は100GBという「5Gギガホ」の容量制限を、終了期間未定のキャンペーンとして撤廃。国際ローミングなどの例外を除き、テザリングも含め、通信容量に制限は設けない方針を示した。料金は4Gの「ギガホ」から500円上がる。
正式な料金プランにしなかったのは、「ネットワークへの影響を見定める必要があったため」(代表取締役社長 吉澤和弘氏)だ。前述したように、当初のエリアは限定的で、ユーザーのほとんどが4Gのエリアでデータ通信を行うことになる。この負荷に耐えられるかどうかを、キャンペーンで確認するというのがドコモのスタンスになる。
逆に、エリアが狭いことを理由に、4Gから料金を据え置きにしたのがソフトバンクだ。ソフトバンクは「メリハリプラン」と「ミニフィットプラン」を5Gにも継承。5Gのネットワークを利用するための料金として、1000円の「5G基本料」を設定したが、キャンペーンで2年間、これを無料にする。ただし料金だけでなく、容量も50GBと据え置きになった。動画サービスやSNSの通信を通信量にカウントしないゼロレーティングを実施しているため、「実質的に見放題」(榛葉氏)だが、やはり制限があるのも事実。無制限のプランは、「5Gのインフラ整備状況を見ながら検討していく」(同)という。
4Gでデータ容量無制限を導入していたKDDIは、当然ながら5Gでもこれを踏襲した。データ容量無制限のプランは「データMAX 5G」と名付けている。4G側の料金も同時に改定することで、4Gと5Gの差額は1000円になったが、ソフトバンクと同様、キャンペーンでこれを25カ月間無料にする。KDDIが一歩踏み込んだといえるのは、コンテンツサービスと料金を一体にしたバンドルプランを強化したところにある。
4GのときにNetflixをセットにした「Netflixパック」を導入したKDDIだが、5Gではこのプランを強化。Netflixパックとは別に、Netflix、Apple Music、YouTube Premiumと、同社がテレビ朝日と立ち上げた「TELASA」を加えた4サービスをパッケージ化した「データMAX 5G ALLSTARパック」を導入した。据え置きのソフトバンク、容量無制限にかじを切ったドコモに対し、バンドルプランを拡充したといえる。金額の水準は3社とも近いが、料金プランには“個性”が出てきていることもうかがえる。
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