エックスモバイルが提供しているデータ通信サービス「限界突破WiFi」で、3月上旬から通信速度が低下する現象が起きている。限界突破WiFiは、クラウドSIMの技術を活用し、月額3500円(税別)で「ネット使い放題」をうたうモバイルWi-Fiサービス。クラウドSIM対応のスマートフォン(jetfon)を提供している。
限界突破WiFiでは、複数のSIMカードが差し込まれた「SIMサーバ」を運用しており、ここから、各ユーザーへの通信を遠隔で割り当てている。通常の使い方であれば、満足できるデータ容量を確保できるというが、一部のユーザーが数TBという膨大なデータ通信を行ったことで、SIMサーバの稼働が不安定になり、局所定な不具合が発生しているという。
3月7日時点では、1日の利用データ容量が3GBに達した場合、下り1Mbps前後に速度が低下していた。その後、メーカーに改善要求をしたところ、3月12日時点で低速時の速度は下り5Mbps前後に改善された。
その後もメーカーや供給先との交渉を続けてきたが、供給元からの「突然の条件変更」により、4月1日以降は「1日5GBまでは高速通信が可能」「5GBを超えると下り4Mbps、上り1Mbpsに速度低下」「1日10GBを超えると128kbpsに低下」が最善策だという。通信量は毎日24時にリセットされる。
つまり現状では、同社がうたう「ネット使い放題」は提供できない状況となっている。そこで、納得できないユーザーに対しては、3月の利用料金(3500円)と解約手数料(1万8000円)なしで解約可能とする。(解約はしないが)3月の利用環境に納得のいかないユーザーに対しては、3500円の返金対応をする。
さらに、「完全無制限で使えると聞いたから、固定回線や大手キャリアを解約して、限界突破WiFiを契約した」といったユーザーに対しては、もとの環境に戻るための費用(固定回線やキャリアの初期費用など)もエックスモバイルが負担するという。同社はお知らせのページで、返金申請フォームと解約申請フォームを案内している。
エックスモバイルの木野将徳社長は、YouTubeのチャンネルで、今回の速度低下に関する経緯と対応について説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.