世界中どこでも1台で大体OK! クラウドSIMを使う「セカイルーター」とは?5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(1/2 ページ)

» 2017年06月19日 10時00分 公開
[島田純ITmedia]

 最近、「1台で全世界で使える!」「100か国以上の国をカバー!」といったうたい文句のモバイルWi-Fi(無線LAN)ルーターが増えています。

 このようなルーターは「セカイルーター」ともいえるもので、SIMカードを別途用意しなくても世界中で通信できることが共通点です。一体、どのような仕組みで「SIM抜き」を実現しているのでしょうか? そして、そのメリット・デメリットは……?

uCloudLinkのセカイルーター「GlocalMe G2」 uCloudLinkのセカイルーター「GlocalMe G2」。日本ではグローカルネットが「GLOCAL NET」として提供している

SIM抜きは「クラウドSIM」で実現

 セカイルーターがSIM抜きで通信できるのは、「クラウドSIM」という仕組みを採用しているからです。

 その名の通り、クラウドSIMは「サーバ上にあるSIMカード」です。電源を入れると、セカイルーターは渡航・滞在先に合わせて最適なキャリア(オペレーター)を探して、そのキャリアのSIMカード情報をモバイル回線経由でダウンロードします。その後、クラウドSIMのデータを使って、モバイル通信を開始します。

 この仕組み自体は、組み込み機器用の「eSIM(Embedded SIM)」と似ていますが(関連記事)、eSIMとは異なり物理的なSIMカードを内蔵していません。あくまで“仮想”のSIMカードということがポイントです。

GlocalMe G2のSIM設定 セカイルーターは「クラウドSIM」を使って通信する。GlocalMe G2のように非対応の国・地域での利用に備えて物理的なSIMカードスロットも搭載しているセカイルーターも多い

セカイルーターのメリット

 セカイルーターの大きなメリットとして、ユーザーが物理的なSIMカードを意識せずに、世界各地のデータ通信が比較的安価に使えることが挙げられます。

 海外でモバイル通信をする場合、現地のプリペイドSIMカードを購入して使うのが基本的に一番安上がりでした。しかし、セカイルーターの料金設定はプリペイドSIMカードのそれと近くなっています。場合によってはそれよりも安価な場合もあります。

 例えば、韓国の短期旅行者向けのプリペイドSIMカードは、販売価格が日本円で3000円程度からです。それに対してグローカルネットの「GLOCAL NET」の料金体系では1日あたり800〜1600円(非課税)で使えます。短期間の海外旅行・出張であれば、セカイルーターの方が料金面で特に有利になることは多いです。

韓国のプリペイドSIMカード 韓国で売られているKTの旅行者向けプリペイドSIMカードは、1GBで2万9900ウォンまたは3万4900ウォン(日本円で約2930円、約3420円)となっている
GLOCAL NETの料金 GLOCAL NETの場合、グリニッジ標準時(日本標準時マイナス9時間)基準の0時からの1日単位で課金しており、料金は800〜1600円(非課税)となっている。短期滞在ならプリペイドSIMカードよりも安上がりといえる

 また、複数の国や都市をまたいで移動する時にも便利です。飛行機を空港内で乗り継ぐ場合は公衆Wi-Fiでも大きな支障はありませんが、空港を出て電車やバスなどで別の空港で乗り継ぐ場合、移動中の通信手段としてプリペイドSIMカードを……と思っても、時間やお金が惜しいものです。

 このような場合でも、セカイルーターなら電源を入れてから短時間で利用開始できる上、複数国・地域にまたがって使ってもサービスに定める時間単位内であれば追加料金はかからず無駄なく使えます。大手キャリアが提供する国際データローミングサービスにある意味で近い特徴を持ちつつも、おおむね安価に使えるということも魅力なのです。

GLOCAL NETの料金(再掲) GLOCAL NETの料金体系(再掲)。グリニッジ標準時で0時から23時59分の間なら、何カ国回っても追加料金はかからない

 「世界各地を1台でカバー」という売り文句にもある通り、複数の国・地域をまたいで渡航する場合でも、その国・地域の数だけスマートフォンやルーターを用意する必要がないことも魅力です。

 筆者は以前、複数の国を周遊して移動する際にモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスを利用しましたが、国ごとに4台のルーターを借りることになってしまいました。ルーターが4台ともなると、さすがにかさばってしまいます。その点、セカイルーターなら1台だけでOK。荷物を減らす意味でも便利といえます。

GlocalMeのカバー国・地域 GlocalMeがカバーする国・地域。意外と多い印象だ
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月25日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  3. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  6. Galaxyの新折りたたみが4キャリアそろい踏み 各社が語る「価格」「ネットワーク」「サポート」の差別化戦略 (2026年07月23日)
  7. 「HUAWEI WATCH FIT 5」実機レビュー 長持ちバッテリーと新機能“ミニストレッチ”の実力は? (2026年07月24日)
  8. パスポート型の折りたたみ「Galaxy Z Fold8」を速攻チェック 使い方を変える形状だが“なくなった機能”も (2026年07月22日)
  9. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  10. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー